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租税法律主義

租税法律主義というと税法がその概念の拠り所になっている考える人が多いと思います。しかし、租税法律主義の根拠条文は日本国憲法にあります。日本国憲法の第30条と84条が租税法律主義の根拠となっています。この二つの条文を引用します。

憲30条 「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」
憲84条 「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」
したがって、納税義務者(税金を払う法人あるいは個人)、課税物件(課税の対象となる取引)、課税標準(課税対象となる金額あるいは数量)、税率、納付の方法、納付の期日は法律に明記される必要があります。それは日本国憲法の第30条と84条が求める要件です。租税法律主義が貫かれることによって、国民は経済活動の結果生じる負担すべき税額を予測することができます。つまり、経済生活を営む上で法的安定性が保障されます。租税法律主義ゆえ、課税庁が自由裁量で課税する権利は与えられていません。また、法人税、所得税、消費税等の税法の条文の中に不確定概念を残すことは極力排除しなければなりません。

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コメント

いつも拝読させていただいております。東京で開業している税理士です。

4/18に東京税理士会で「今こそ憲法を考えよう!」という研修(講師弁護士伊藤真氏)がありました。

その研修で印象的だったのは、日本国憲法は、国民に対して憲法を守れと云っているのではなく、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員などに憲法を守る義務があると云っているのだ(憲法99条)という説明でした。

つまり、国民は自身が憲法を守る義務はないけれども、上述の人たちに対して「憲法を守らせる」義務があるということです。当り前なことなのかも知れませんが、憲法と法律の区別がついていなかった者としては大いに衝撃を受けました。

もっぱら租税法律主義という憲法規定を根拠にした納税者の主張に対し、課税庁などは、かつての政治思想的税務争訟の先入観のもと、否定的な立場を採用しがちな傾向にあります(これは司法が行政に介入することに対して消極的な時代があったこととも関連しているのかもしれません)が、改めて憲法の意義(憲法は法律とはそもそも存在意義が180度違う)という点から「租税法律主義」を考えて見るということは極めて大切なことであると考えます。

「いかに租税法律主義を実現していくか」という個別具体的な争訟問題については、争訟技術上、どうしても各税法規定に基づく綿密な主張が必要にはなりますので、憲法問題はなおざりにされがちではありますが、憲法の守ろうとしている価値に照らした上で、改めて租税法律主義とは何かを再考する時期に来ているのではないでしょうか。

近年憲法改正論議が盛んですが、税の専門家としても、こういうご時世だからこそ税と憲法のあり方をもう一度改めて考えてみる必要があると痛感しています。

そういう意味も込めまして、このシリーズ今後の展開を大変楽しみにしています。

個人的には、憲法の中での税関連の議論としては、①30条(納税の義務)と29条(財産権)の関係、84条(租税法律主義)と14条(平等原則)との関係に興味があります。もちろんこれらについては自分でも研究してみようと思っていますが、村田さんから見て、こういう憲法の論点をどう考えるのかについてコメントしていただけますとありがたいです。

税務調査で常々問題のなるのが通達の解釈です。通達が租税法律主義の根幹となっているようです。通達の意味を明確にして下さい。
(村田)Nakamuraさん、通達に関する解説は、(本ブログの4月24日付記事、カテゴリー”租税法解説”)「法源」を参照して下さい。

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