がんばれ日本人
朝日新聞(2006/07/19?24に掲載された連載記事)の「分裂にっぽん」の記事を読むと、日本人であることが恥ずかしい気持ちにさせられます。「分裂にっぽん-その1」の冒頭は次のような文章で始まります。「税金を極力払わないですむよう(税金の安い)国を渡り歩く『永遠の旅人』になって、この町で迎える6度目の夏だ。-中略ーここは毎年6月から8月末まで。いったん帰国し、寒くなる12月からハワイで暮らす(日本での滞在日数を183日を超えないようにすると、日本で所得税を払う必要はないとの理解に基づく)」。ITと新興企業の株式公開であぶく銭を得た新富裕層と呼ばれる人々の中には、日本で税金を払わないためなら脱税も厭わないという話が延々と続きます。更に驚いたことに、その記事では、「今、日本には100万ドル(1億17百万円)以上の金融資産を持つ人は140万人居ります」と紹介されています。単純に人口比で換算すると日本人の約100人に1人は億万長者であると言うことです。”本当かいな・・・”が多くの読者の感想ではないかと思います。
話を本題に戻します。「分裂にっぽん」の記事は、我々多くの日本人が失っている部分を浮き彫りにしてくれます。20年余り前になりますが、米国に7年駐在する機会がありました。米国駐在して大きな驚きは、運良く富を得た人はその手にした富の使い方の美学を持っていたことです。世界第一位の金持であるビル・ゲイツ氏が妻と共同で運営する慈善財団へ世界第二位の金持であるウォーレン・バフェット氏が自分の財産を寄付するというニュースが最近ありました。新聞報道によれば、「人々が最も得意とする分野で、できるだけ長く働けば個人資産を膨らませることができる。そうすれば寄付を通じて社会へ還元する金額も増える。結果として、社会全体が富む」とバフェット氏は考え、金儲けをしてきたそうです。このような美学を、程度の差こそあれ、米国での成功者は皆持っておりました。その事を学んだのが私の米国駐在でした。
今の日本には、運良く富を得た人が140万人も居ます。「俺は血の出るような努力をして今の富を得たのだ!運良く富を得たなんてふざけたことを言うな」と”運良く富を得た”という表現に違和感を覚える人も居ると推察します。しかし、いくら努力しても報われない人も沢山居ます。その現実を考えると、私は”運良く富を得た”が適切なように思います。成功は、自分の努力に加えて、時の運、他者の協力、あるいは他者の犠牲によって成しうるものです。それを考えると成功に対して謙虚になることが出来ます。謙虚な気持ちを持つことで、手にした富の使い方の美学が生まれてくると思います。もう一つ大事なことは、日本人の約100人の内、99人は金運に見放されていますが、多くの人は普通の生活が出来ます。しかし、ごく僅かと推測しますが、普通の生活の出来ない弱者も居ます。そのような弱者を救うのは、国だけではありません。運良く富を得た人は、弱者に優しい社会を作る重要な担い手と考えます。
がんばれ金持日本人!せこいことはするな!
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ハリーポッターの翻訳者・松岡佑子さんが、脱税の疑いで国税局ともめているようですが、正直驚きました。 一応、松岡さんはスイス居住なので住民税を払わない... 続きを読む

PT(パーマネントトラベラー)は日本だけの話ではなくて、むしろ(桁はずれの大金持ちが多数存在する)欧米ではもっと多いと聞いています。
個人的には、クロスボーダーのご時世で、日本のお金持ちの人が国を捨てること、そして我々多くの日本人が何か大切なものを失っているのは、つきつめると欧米化の「光と影」のうちの影の部分ではないかと考えています(もっとも、他国のせいにする以前に、道徳教育や人間教育の問題なのかもしれませんが)。
歴史的には、日本人は外国の技術や知識、文化を独自のアレンジを加え融和させながら取り入れることに秀でていました。このプロセスが現代の欧米化に関してはあまりうまくいっていないのかもしれません。
ちなみに、アメリカで富裕層が慈善財団に寄附をするのは、寄附金の手厚い優遇税制目当てであることは美談に隠された事実として周知の事実です。しかし、「性悪説」の観点からは、こういう「必要悪なのかもしれない」税制をうまく日本風にアレンジして導入することで、お金持ちの国外逃避をくい止める(そして日本人の失ったものを取り戻す)一つの手段となりうるのではないでしょうか。「税制で日本人の失ったものを取り戻す」というと、怪しい政治家のようですが、ちょっとワクワクしてしまいます。
同感です。少しお金持ちからはずれますが・・・日本人には「清貧」を美とするところがあると思います。どこかにお金持ちはよくない、という意識があるのだと思います。この考え自体が間違っている事に気がつきました。全く時代にそぐわない考えですね。戦時中の食べていくこともままならない
ような時代の言葉ですね。村田さんがおっしゃる、たくさん稼ぐ人はその使い方に美学を持つ、素晴らしいことですね。そうなんです、たくさん稼いで社会に、地域に還元してあげればいいんです!
目指せバフェット、目指せビル・ゲイツ。
まさにそのとおりです。
ところで、在米日数を使った節税or脱税、IT、新富裕層、とくれば別の方を連想しませんか? 米国の大学へ転職したと住民票を移したにも関わらず1年以内に帰国していたことが明らかになり、住民税脱税ではないかと週刊誌に叩かれたあの方です。彼が富裕層のための減税を含め一連の米国風改革を推し進めてきたのも、アメリカ流金持ちの寄付によって社会全体が富むと信じ期待しているからでしょうかねえ。
税務のコンサルティングを担当する立場からは、金持ちの方にはせっせと節税に励んでいただき、節税対策の寄付・財団活動等によって世のため人のため真に役に立つことをしていただく、というのがベストでしょうか。社会的貢献を後押しするための税制改正も重要ですね。
ゲイツのような桁外れの金持ちはいないとしても、社会への還元を忘れない金持ちや成功者が日本にもたくさんいると信じていたいです。
トラックバックにハリポタの翻訳者、松岡さんのスイス移住の話がリンクされていますね。いつも疑問に思うのは、どうやってマスコミに伝わるのでしょう? まさか国税の方々が組織的にリークしているわけではないですよね・・・・?