2006年9月アーカイブ

低額譲渡-法人税上の取扱い

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資産を時価より低い価額で譲渡することを低額譲渡と言います。

独立した当事者間で合意した取引価額は通常「時価」と見做されます。ですから、独立した当事者間で合意した取引から低額譲渡が問題になることは実務上ほとんどありません。法人税法上、低額譲渡が問題となるのは、支配・被支配関係にある者が行った取引です(既に法人税法上の「時価」の説明は、本ブログの中でしておりますので、該当するブログ記事を参照して下さい)。注意を要する点として、支配・被支配関係にある者の判定は、持分関係のみならず経済的従属関係も考慮されてなされます。

支配・被支配関係にある者から低額譲渡が行われた場合、時価相当額により益金を計算し、時価相当額と現実の対価との差額は寄付金として取り扱われます。例えば、時価100百万円、簿価50百万円の固定資産を70百万円で売却した場合、譲渡人である法人は次の仕訳を行います。
(借方)未収入金 70百万円 (貸方)固定資産 50百万円
                      固定資産売却益 20百万円
しかし、税務上の益金は時価相当額により計算しますので、50百万円(固定資産売却益20百万円プラス時価相当から乖離した低額部分30百万円)となります。そして、時価相当から乖離した低額部分30百万円は、先方に寄付をした額と見做され寄付金として処理されます。

法37?「内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、前項の寄附金の額に含まれるものとする。」

税法上、「著しく低い価額による譲渡」という概念があります。しかし、この概念は法人税法上、適用されません。主に所得税上、適用される概念であります。その事申し添えます。

応募期限は9月30日です(^O^)

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時価

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法人税法の条文に「時価」と言う言葉を入れて検索すると「時価」と言う言葉が含まれた条文が数多く出てきます。その検索結果は本記事の末尾に記載してます。これだけ時価という言葉が出てきますが、時価は、法人税法上、明確に定義されていませんが、相続税財産評価に関する基本通達で時価の定義が以下のようにされています。

評基通1?「時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」

私見ですが、この定義は税法の世界で普遍的に通用するものと思料いたします。それでは、"不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額"の内容が問われます。その内容は「再調達原価(商品を再調達するのにかかるコスト)」あるいは「正味実現可能価額(商品を売却した場合に得られる収入)」と一般的に言われています。前者は買い手の立場から考えた価額で、後者は売り手の立場から考えた価額です。このほか、将来に得られると予想される収入から費用を差し引いたキャッシュフローを、一定の金利で割り引いた割引現在価値が時価を体現すると考える見方があります。つまり、当初の物の値段は立場によって異なり、一物一価ではありません。しかし、取引が行なわれる時点で初めて一物一価になります。そのプロセスは、独立した当事者間("不特定多数の当事者間"を"独立した当事者間"に読み替えます)で交渉して、合意のプロセスを必要とします。このようなプロセスを経て決まった価額は法人税法上、時価と見做されます。

この価格決定プロセスの当事者が支配・被支配関係にあった場合は、"不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合"の要件を満たさなくなります。そのような価額は時価とは言えません。支配・被支配関係とは、いずれか一方の法人が他方の法人の株式を50%以上所有する親子関係を言いますが、役員の過半数を一方の法人が他方の法人へ派遣している、売上あるいは仕入のいずれかにおいて一方の法人が他方の法人に依存している、資金を一方の法人が他方の法人から借入ているため、実質的に支配・被支配関係が生じている関係を言います。価額決定の当事者が支配・被支配関係にあった場合、そのような支配・被支配関係間で決まった価額は時価であることを当該当事者が立証しない限り、その価額は、時価でないと法人税法上は見做されます。ですから、時価が問題になるのは、支配・被支配関係にある関連者間で行う取引です。

企業買収に関ってきた専門家から「時価の算定とは、算術でなくて芸術である」と聞いたことがあります。各人各様、一物多価の事象を一物一価にするプロセスが時価の算定の本質ではないかと思料いたします。当に、先の専門家の言葉は至言です。

付言すれば、相続税・贈与税が対象とする当事者はすべて支配・被支配関係にある者です。相続税・贈与税は個人を対象としていますので、納税者に立証責任を負わすより、各納税者間での課税額に関る平仄を合わせる観点から、財産評価に関する基本通達で事細かに時価の算定方法が定められていると思料いたします。

トラックバック「あなた幸せですか?」はブログ記事「がんばれ日本人ー追記」に対してされたものです。皆様もトラックバック「あなた幸せですか?」のブログを読んでみて下さい。「あなた幸せですか?」を読むと、多くの日本人は今が不安で、幸せを感じていないそうです。我々、日本人が幸せを感じ難いのは気質あるいは体質かもしれません。そんな日本人の気質あるいは体質を踏まえたうえで、「幸せ」について皆様のご意見をいただきたいです。そこで「幸せについて最高の定義コンテスト」を行いたいです。コンテスト参加の方法は以下の通りです。

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損金

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損金とは、資本取引(転換社債の株式への転換、減資等)以外の取引により、法人の純資産を減少させる一切の費用・損失をいいます。資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡等で、その事業年度の益金に算入された収益の対応する原価、その事業年度の販売費および一般管理費、資本取引以外の取引に係わる損失が損金に該当します。法人税法上、当該損金を規定した条文が法22?、法22?と法22?です。当該条文を引用します。

法22?「内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。」

法22?「内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
1  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
2  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く)の額
3  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの」

法22?「第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする。」

法22?を読んだ時、二つの点に留意する必要があります。ひとつは「別段の定めがあるものを除き」の文言です。もうひとつは「償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く」の意味です。

別段の定めがあるとは、別の条文に他の取扱いが定められていると言う意味です。法22?の「別段の定めがあるものを除き」は、損金不算入を意味しています。別段の定めがある主なものに、資産の評価損の損金不算入等(法33)、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入(法35)、寄附金の損金不算入(法37)、法人税額等の損金不算入(法38)、交際費等の損金不算入(措置61の4)があります。

もうひとつの「償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く」は、税務調査で一番課税庁が問題にする取扱いです。次の要件すべてに該当する費用は債務が確定していると法令解釈(法人税基本通達2?2?12"本ブログ内で既述していますが、通達は法源でないことに留意して下さい")を課税庁はしています。
(1) 当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。
(2) 当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3) 当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。

しかし、実際の税務調査においては、上記(3)の「金額を合理的に算定」を「金額が確定」に読み替えて、納税者がたとえ費用を合理的に算定しても、当該費用の金額が確定していないと言う理由でその費用の損金性を否認します。企業会計原則に従った会計処理によって認識された費用が通達行政によって歪められている事例が少なからず散見されます。法22?での公正妥当な会計処理の基準は実務の上では軽視されていると言わざるを得ません。公正妥当な会計処理の基準に関しては、既に本ブログで議論しています。そのブログ記事を参照して下さい。

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