低額譲渡-法人税上の取扱い
資産を時価より低い価額で譲渡することを低額譲渡と言います。
独立した当事者間で合意した取引価額は通常「時価」と見做されます。ですから、独立した当事者間で合意した取引から低額譲渡が問題になることは実務上ほとんどありません。法人税法上、低額譲渡が問題となるのは、支配・被支配関係にある者が行った取引です(既に法人税法上の「時価」の説明は、本ブログの中でしておりますので、該当するブログ記事を参照して下さい)。注意を要する点として、支配・被支配関係にある者の判定は、持分関係のみならず経済的従属関係も考慮されてなされます。
支配・被支配関係にある者から低額譲渡が行われた場合、時価相当額により益金を計算し、時価相当額と現実の対価との差額は寄付金として取り扱われます。例えば、時価100百万円、簿価50百万円の固定資産を70百万円で売却した場合、譲渡人である法人は次の仕訳を行います。
(借方)未収入金 70百万円 (貸方)固定資産 50百万円
固定資産売却益 20百万円
しかし、税務上の益金は時価相当額により計算しますので、50百万円(固定資産売却益20百万円プラス時価相当から乖離した低額部分30百万円)となります。そして、時価相当から乖離した低額部分30百万円は、先方に寄付をした額と見做され寄付金として処理されます。
法37⑧「内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、前項の寄附金の額に含まれるものとする。」
税法上、「著しく低い価額による譲渡」という概念があります。しかし、この概念は法人税法上、適用されません。主に所得税上、適用される概念であります。その事申し添えます。