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脱税行為

脱税行為とは租税負担を不法に免れる行為を言います。意図的な売上隠し、あるいは架空経費の計上が典型的な脱税行為です。巷間言われていることですが、現金商売をしている企業は、掛売りしている企業に比べて、脱税行為がしやすいと言われています。しかし、経営者にとって脱税しやすい企業は、従業員にとっても横領等がしやすい企業です。現金商売をしている企業は、内部牽制組織を整備することで従業員による不正を減少させることが可能となります。その内部牽制組織の整備は、結果として脱税行為が難しくなる環境も提供します。脱税行為を無くす環境作りは大事と解します。

節税行為(別稿で検討する予定)と脱税行為は明確に峻別すべきです。筆者は、節税行為に対して好意的な方ですが、脱税行為に対しては全く否定的です。節税行為は概念的に刑事罰の対象とすべきでないですが、脱税行為は刑事罰の対象とすべきで、その対象となります。脱税行為に対する法人税法上の罰則規定があります。その罰則規定を下記に引用いたします。

法159「偽りその他不正の行為により、第七十四条第一項第二号(確定申告に係る法人税額)(第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)に規定する法人税の額(第六十八条(所得税額の控除)(第百四十四条(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)又は第六十九条(外国税額の控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算をこれらの規定を適用しないでした法人税の額)、第八十一条の二十二第一項第二号(連結確定申告に係る法人税額)に規定する法人税の額(第八十一条の十四(連結事業年度における所得税額の控除)又は第八十一条の十五(連結事業年度における外国税額の控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算をこれらの規定を適用しないでした法人税の額)、第八十二条の十第一項第二号(特定信託の確定申告に係る法人税額)(第百四十五条の八(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)に規定する法人税の額(第八十二条の六(特定信託に係る所得税額の控除)(第百四十五条の六(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)又は第八十二条の七(特定信託に係る外国税額の控除)(第百四十五条の七(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算をこれらの規定を適用しないでした法人税の額)、第八十九条第二号(退職年金等積立金確定申告に係る法人税額)(第百四十五条の十二(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)に規定する法人税の額若しくは第百四条第一項第二号(清算確定申告に係る法人税額)に規定する法人税の額(第百条第一項(所得税額の控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算を同項の規定を適用しないでした法人税の額)につき法人税を免れ、又は第八十条第六項(欠損金の繰戻しによる還付)(第八十一条の三十一第四項(連結親法人に対する準用)、第八十二条の十五第三項(特定信託に対する準用)、第百四十五条第一項又は第百四十五条の八において準用する場合を含む。)の規定による法人税の還付を受けた場合には、法人の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。以下この編において同じ。)、代理人、使用人その他の従業者(当該法人が連結親法人である場合には、連結子法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者を含む。第百六十四条第一項において同じ。)でその違反行為をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2  前項の免れた法人税の額又は同項の還付を受けた法人税の額が五百万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、五百万円を超えその免れた法人税の額又は還付を受けた法人税の額に相当する金額以下とすることができる。」

条文の読み方のワンポイントレッスンー当該条文は、税法の条文の典型的書きぶりですが、他の条文の引用が多いため、非常に読み難くなっています。他の条文の引用の部分を取り除いて読んで下さい。他の条文の引用の部分を取り除いた法159は以下の通りです。非常に解りやすくなるでしょう。

「偽りその他不正の行為により、法人税を免れた場合、又は法人税の還付を受けた場合には、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2  前項の免れた法人税の額又は同項の還付を受けた法人税の額が五百万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、五百万円を超えその免れた法人税の額又は還付を受けた法人税の額に相当する金額以下とすることができる。」

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コメント

税理12月号(ぎょうせい)に「租税回避行為の否認と仮装行為の否認」(品川芳宣先生)という論文が載っています。最近の税務執行の状況を鋭く捉えた素晴らしい論文ですのでぜひご一読ください。

納税者側は、認められるべき「節税」(あるいは否認されない租税回避※)の議論をしているつもりでも、相手側は「仮装行為」だからすべて否認すべきだという立場を採用しているところが議論がかみ合わない原因(そして税の紛争が増えている原因)のようです。

※なお、「否認されない租税回避」概念の必要性については、『租税回避の概念は必要か』(中里実先生、税研2006.7)で鋭い分析がなされていますので、こちらもぜひご一読を。


仮装行為とは何か、否認されない租税回避はありえるのかを突き詰めていくと、永遠のテーマである「節税・租税回避・脱税の境界線」が見えてくるのかもしれません。

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