2006年12月アーカイブ

私的Web2.0

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コメント投稿者、こばやし(しん)さんが、税金サイトの投票ランキングで「村田守弘のブログ」が 上位にランクされていることを連絡してくれました。投票ランキングがどのようになされているのか皆目見当が付きませんが、「村田守弘のブログ」が上位になっていることは、世間でいうWeb2.0効果ではないかと思います。

個人が発信する情報が検索エンジンを通じて多くの人に伝わることは数年前には想像できませんでした。Web2.0環境(検索エンジンの高度化等)の下では、マスメディアに代表される太く短く大量の情報提供に拠らなくても、多くの人に情報を提供することが可能になります。Web2.0の入門書(「Web2.0超入門講座」小林祐一郎著、インプレストジャパン発行)を読むと、ロングテール、集合知という言葉がよく使われています。私なりにロングテールを解説すると"細く長く少量の情報提供"になります。"細く長く少量の情報提供"をもう少し解説しますと(組織でなく)個人が、継続的に、コツコツと情報発信する状態と考えています。更に、上記入門書では集合知が利用できるようになることがWeb2.0の必要条件のひとつであると書いてあります。集合知が利用できるとは小さな情報を沢山集めて、新しい価値を付加えて提供することだそうです。

ブログ情報を集合知に変容させるには、個々の情報の質が非常に重要になってきます。個々の情報はそれぞれ高い価値を持っていることが必要です。屑をいくら集めても宝の山に変容することはないでしょう。独断と偏見の分析ですが、「村田守弘のブログ」が上位になっていることはロングテール情報(定期的にブログを更新した結果)が集合知に変容してきたことではないかと推定されます。

ブログ記事は書かれた1分後にはブログ検索の対象になると言われています。このようにしてWebには爆発的にブログ記事が入ってきます。更にマスメディア発の情報も加われば個人が手にする情報は、天文学的な量になります。Web2.0時代の情報の付きあい方がいまひとつ私は解りません。情報が錯綜したり、読者を混乱させたりすることを情報発信者は、避けなければならないと考えています。私のブログにアクセスした人にとって(税金なんて)好きでもないけど、押さえておきたい重要ポイントが短時間に入手できる窓口サイトが理想です。私的Web2.0のキィワードはユーザーの視点に立った(1)ロングテール情報の提供、(2)集合知の創造、(3)窓口サイトの役割です。

色々書きましたが、ITの知識がない私に情報発信の術を与えてくれたブログは、まさに私をWeb2.0社会の一員にしてくれたようです。

ヴァーチャルな仲間による意見交換を目的にしています。是非、12月31日までに奮って投稿お願いします。

皆様が投稿するにあたって、早稲田大学大学院、野口悠紀雄教授のコメントを参考のため引用します。野口先生は"21世紀のグローバリゼーションは、早晩「家計所得対企業所得の分配の変化」をもたらす・・・・それを押しとどめることはできない。押しとどめればグローバリゼーションに立ち遅れる。これを矯正するには、財政を通じる再分配によらざるをえない。すなわち、法人税を強化し、所得税や消費税を減税する方向の税制改革だ。ところが、現実には、これとは逆方向の税制改革が行われようとしている。法人税を減税して所得税や消費税を引き上げる方向が実現しそうだ。これは企業所得対家計所得の分配をさらに企業所得に有利な方向に変更する(週刊ダイヤモンド2006/12/09「超」整理日記)"と言っています。野口先生の意見は暴論と考えますか、あるいは、正論と考えますか?

下記は12月8日付け本ブログ記事"「消費税問題先送り」をどう思いますか?"(カテゴリー"お知らせ")です。

*****

政府税制調査会は12月1日、2007年度税制改正に関する答申をまとめました。下記新聞記事を読んで下さい。気になる点があります。それは消費税問題が先送りされたことです。

政府税制調査会(首相の諮問機関)は12月1日、首相官邸で総会を開き、2007年度税制改正に関する答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。答申は企業の設備取得費を非課税扱いにできる減価償却制度の拡充や、国税と地方税を合わせた法人所得課税の実効税率(約40%)の引き下げを検討するよう提言。答申提出後の記者会見で政府税調の本間正明会長は、法人課税の実効税率について「税調委員の間では、引き下げの方向で検討すると合意できた」と強調。年明けから法人税減税の議論を本格化させる考えを示した。ー中略ー答申は社会保障費を賄う安定財源を確保する必要性を指摘したが、消費税への言及は避けた。本間会長は景気回復に伴う税収増を理由に「(消費税について答申で触れる)緊急性が高くないと判断した」と述べた。(東京新聞12月2日朝刊)

少子化、超高齢化、格差社会において、消費税問題を先送りすること是か非か?興味ある税制改革問題です。そこで皆様のご意見を聞きたいです。「消費税問題先送り」をどう思いますか?

当該ブログ記事の下の欄posted by muratatax at : 12:00 | コメント (0) | トラックバック (0)コメント (0)をクリックしてください。コメント送信ページが現れます。
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皆様の送信メールは直接ブログに公表されません。管理者である私のところに送付されます。"「消費税問題先送り」に対する意見"は、必要に応じて校正いたします。そのこと事前に申し上げます。

この試みは、ヴァーチャルな仲間による意見交換を目的にしています。皆様のご意見を年明け早々には本ブログで公表したいです。是非、12月31日までに奮って投稿お願いします。


節税行為

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節税行為とは租税負担を合法的に軽減する行為を言います。

租税は一定の課税要件事実に該当する場合に課税されます。課税要件とは、納税義務者、課税の対象となる取引、その取引金額、適用される税率等を言います。そして、課税要件は法定されている必要があります。これら課税要件を個々の取引に当てはめて、合法的に税金が課されないようにする、ないしは、課される税金が軽減されるように経済行為を行うことを節税行為といいます。経済取引を行うに当たって租税負担の軽減を図ることは自然なことであり、その結果として節税効果が大きかったとしても、過度の租税回避行為として否認することは出来ないと解します。しかし、企業が採用した節税策を過度の租税回避行為として否認する課税処分が増えています。課税庁が否認する根拠はどこにあるのでしょうか。本ブログの11月24日付記事、カテゴリー"租税法解説"「脱税行為」に投稿者、こばやし(しん)さんから"税理12月号(ぎょうせい)「租税回避行為の否認と仮装行為の否認」(品川芳宣)"の論文の紹介がありました。そこで、早速、その論文を読みました。

品川先生の論点は、以下の通りと解します。
1) 租税回避行為については、法人税法132条(同族会社等の行為又は計算の否認)のような否認規定が存しない限り否認できない。
2) 租税回避行為と認められる行為の基因となる法形式を仮装した場合は、租税回避行為を否認できる(仮装行為の否認)。課税要件事実の判定は仮装された(表面上の)事実や法律関係でなく、隠蔽ないし秘匿された(真の)事実や法律関係ですべきであるがその根拠となっている。

しかし、品川先生は節税効果のある私法上の法律行為を安易に仮装行為と認定する昨今の税務執行に懸念を示されています。税務調査では、仮装行為とみられない節税行為であっても実質課税の原則を錦の御旗にして否認してくる事案が少なからずあります。実質課税の原則では、契約書の法形式、および契約書に認められている文言に拘らず、経済的実質に対して課税することが認められる原則です。この"経済的実質に対して課税する"という意味は、仮装行為の否認と同義と解します。"経済的実質に対して課税する"は仮装された事実や法律関係でなく、隠蔽ないし秘匿された事実や法律関係に課税すると読み替えることができるでしょう。しかし、現実は違います。仮装行為がなくても節税効果の大きい取引を否認するために、課税庁は自分たちに都合よく実質課税の原則を解しています。私見ですが、不自然不合理な契約を締結して課される税金が軽減されるような経済行為を仮装行為の否認に準じて否認することは至当と解しますが、不自然不合理でない契約を締結してなされた経済行為が節税効果をもたらした場合、その経済行為を否認することは、実質課税の原則の濫用に当たると解します。

法人税法132条(同族会社等の行為又は計算の否認)および実質課税の原則、それ自体の法人税法上の条文はありませんが、関連する条文として法人税法11条(実質所得者課税)を参考のため引用します。

法132「税務署長は、次に掲げる法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。
一  内国法人である同族会社
二  イからハまでのいずれにも該当する内国法人
イ 三以上の支店、工場その他の事業所を有すること。
ロ その事業所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任その他のその事業所に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人(以下この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること。
ハ ロに規定する事実がある事業所の所長等の有するその内国法人の株式又は出資の数又は金額の合計額がその内国法人の発行済株式又は出資(その内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の三分の二以上に相当すること。
2  前項の場合において、内国法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為又は計算の事実のあつた時の現況によるものとする。
3  第一項の規定は、同項に規定する更正又は決定をする場合において、同項各号に掲げる法人の行為又は計算につき、所得税法第百五十七条第一項 (同族会社等の行為又は計算の否認等)若しくは相続税法第六十四条第一項 (同族会社等の行為又は計算の否認等)又は地価税法 (平成三年法律第六十九号)第三十二条第一項 (同族会社等の行為又は計算の否認等)の規定の適用があつたときについて準用する。」

法11「資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であつて、その収益を享受せず、その者以外の法人がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する法人に帰属するものとして、この法律の規定を適用する」

下記セミナーの内容が記事となり、租税研究(日本租税研究協会発行)12月号に掲載されました。
取り急ぎ、報告します。

*****

日本租税研究協会の会員懇談会で講師を務めることとなりました。本懇談会は、租研の法人会員、個人会員の方が参加出来ます。本懇談会は下記により開催されます。

日時: 8月29日(火曜) 午後1時30分から3時まで
場所: 日本工業倶楽部 4階第4会議室
     (千代田区丸の内1?4?6)
議題: 來料加工取引に対する課税上の問題点
講師: 公認会計士・税理士
     村田守弘

政府税制調査会は12月1日、2007年度税制改正に関する答申をまとめました。下記新聞記事を読んで下さい。気になる点があります。それは消費税問題が先送りされたことです。

政府税制調査会(首相の諮問機関)は12月1日、首相官邸で総会を開き、2007年度税制改正に関する答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。答申は企業の設備取得費を非課税扱いにできる減価償却制度の拡充や、国税と地方税を合わせた法人所得課税の実効税率(約40%)の引き下げを検討するよう提言。答申提出後の記者会見で政府税調の本間正明会長は、法人課税の実効税率について「税調委員の間では、引き下げの方向で検討すると合意できた」と強調。年明けから法人税減税の議論を本格化させる考えを示した。ー中略ー答申は社会保障費を賄う安定財源を確保する必要性を指摘したが、消費税への言及は避けた。本間会長は景気回復に伴う税収増を理由に「(消費税について答申で触れる)緊急性が高くないと判断した」と述べた。(東京新聞12月2日朝刊)

少子化、超高齢化、格差社会において、消費税問題を先送りすること是か非か?興味ある税制改革問題です。そこで皆様のご意見を聞きたいです。「消費税問題先送り」をどう思いますか?

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皆様の送信メールは直接ブログに公表されません。管理者である私のところに送付されます。"「消費税問題先送り」に対する意見"は、必要に応じて校正いたします。そのこと事前に申し上げます。

この試みは、ヴァーチャルな仲間による意見交換を目的にしています。皆様のご意見を年明け早々には本ブログで公表したいです。是非、12月31日までに奮って投稿お願いします。


無謬神話

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興味ある新聞記事を先ず引用させてもらいます。「このところ公害や薬害の裁判(肝炎、基地騒音、原爆症、水俣病、じん肺)で国が負け続けている。政策判断を誤り、無策のまま放置して被害を広げ、被害の認定基準は合理性を欠く。こんな行政の責任を司法が厳密に判断すれば、当然に、国に勝ち目はない。▼ところが、お役人たちは、国が裁判に投じるカネとヒトの不足が敗因、と思い込みたいらしい。国が被告となる訴訟が増え、訴訟を担当する参事官らが足りず、民間の弁護士を登用する予算も少ない。それが敗訴続きの一因だとして、法務省は来年度予算で増員と増額を要求するという。▼本末転倒もここまで来ると、開いた口がふさがらない。患者・被害者の高齢化が進む公害・薬害裁判で、患者救済を優先する裁判官が和解を勧告しても応じず、一、二審で負ければ条件反射のように上訴するのが役所の習い。勝ち目のない上訴をやめれば、費用も人員も十分足りているはず。▼国家賠償の費用も国が裁判に投じるカネも、同じ税金である。「役所は絶対間違わない」などという今どき誰も信じない官僚の無謬神話を守るために、これまでどれほど訴訟費用を費やしてきたことか。国が被告になる裁判が増え、そこで国が負け続ける本当の理由を、お役人に考えさせるのが、政治家の大事な仕事なのだろう。(平成18年9月5日付け日本経済新聞朝刊、春秋欄のコラム)」

この記事が指摘している"役人のすることに間違いはない"とする問題点は、課税の世界では更にひどい状態ではないかと思料します。"役人のすることに間違いはない"から更に進んで、確信犯的な"間違っていても課税してしまえ!"の風潮が課税当局にはあるのではないかと疑わせる事例が最近多々あります。"間違っていても課税してしまえ!"には少し解説がいります。例えば、連結利益に比べて本邦で支払う税金が少ない会社は、海外で多くの税金を支払っていますが日本では税金をそれほど支払っていない会社です。課税庁にとっておもしろくない(好ましくない)企業です。そのような企業の国際取引から発生する利益は、何がなんでも課税する風潮を"間違っていても課税してしまえ!"という表現にしています。

日本は租税法律主義を採っており、日本国憲法の第30条と84条が租税法律主義の根拠となっています。憲法の条文の趣旨は「税の徴収は税法に書かれた範囲で行なわれ、それ以下でもそれ以上でもない」です。私見ですが、租税負担回避のために不自然不合理な行為がなされた場合、これを否認し、通常とられるであろう行為を以って課税することは、実質課税の原則から容認出来る税務執行と考えます。しかし、その契約の内容が第三者間で取交わされる内容と同等である場合、その契約に基づく経済行為が結果として節税効果をもたらしたとしても税法に書かれた範囲を超えて、その節税分に課税することは裁量主義による課税、つまり認められない税務執行と考えます。憲法の条文の趣旨「税の徴収は税法に書かれた範囲で行なわれ、それ以下でもそれ以上でもない」から判断すると、私法上の契約の文言は尊重されなければなりません。ですから、課税されるはずのない取引が課税された企業は、当然、税務訴訟まで視野に入れて異議申立等の手続を進めるでしょう。ですから、今後、国が被告となる税務訴訟は増えることは必至です。

今後の税務訴訟に関する裁判所の判断は、納税者有利になると推測します。それは、国が裁判に投じるカネとヒトの不足が負ける理由ではなく、現在行われている裁量主義による課税が負ける理由です。しかし、負ける理由をお役人に考えさせるには実績が必要です。企業にとって税務訴訟は、不可避な選択肢になりつつあります。

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