正当な理由
申告を誤ったことについて正当な理由のある時は、その理由に対応する税額に対して加算税は賦課されません。その根拠条文が国税通則法第65条第4項です。当該条文を下記に引用します。
通則65④「第一項又は第二項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となつた事実のうちにその修正申告又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかつたことについて正当な理由があると認められるものがある場合には、これらの項に規定する納付すべき税額からその正当な理由があると認められる事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して、これらの項の規定を適用する。」
正当な理由とは(1)税法の公表されていた解釈の変更、(2)申告時に確定出来なかった偶発利益、(3)その他真に已む得ない理由と解されています。しかし、課税庁はこの正当な理由を非常に狭く解釈して加算税を賦課してきます。極端な例として、認められたひとつの税法の解釈が変更され、変更後その解釈が認められなくなった時、その変更前の解釈による処理を課税庁は遡及的に更正することがあります。更にその更正に加えて加算税も賦課します。ストックオプションの所得認識(給与所得か一時所得か)においては、まさに上記のような税務執行(遡及的更正決定と加算税の賦課)が行なわれました。それに対して最高裁は通則65④の正当な理由に該当するとして、加算税取り消しの判断を平成18年10月24日に下しました。
最高裁の判断が正当な理由に対して下ったから、課税庁がその執行態度を改めるかというと疑問です。真に正当な理由があると信じるにも拘らず、加算税が賦課されたら訴訟も辞さないという姿勢が納税者に求められます。