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消費税問題について

12月8日付け本ブログ記事“「消費税問題先送り」をどう思いますか?”(下記参照して下さい)で皆様の投稿コメントをお願いしました。しかし、エントリーされたコメントは樫田さんからの1件のみでした。それは関心が低いからではなく、わが国の消費税議論が税制という枠組みの中だけで議論されているから回答し難いが、皆さまの率直な気持ちではないかと推測されます。

先ず、日本の現状は歳出が歳入を大きく上回っており、財政再建が急務と国民は考えています。ここでの財政再建は10年程度を目途に達成すべき性格の問題であります。しかし、日本の少子高齢化はもっと長いスパンで見る必要があります。今の人口が2050年までには8千万人にまで減少する予測も出ています。つまりこれから30年から40年先を見据えて考えるべき問題です。財政再建という中期的問題と少子高齢化という長期的問題は相互に関連する問題ですが、同じ土俵で扱うべき問題ではありません。財政再建を果たしたとしても、その解決策が超高齢化社会の負担増を解決する策であるとは必ずしも言えません。

OECD21カ国のデータを分析した結果、財政再建は増税ではなく、経済活性化による税の増収(安倍内閣の上げ潮戦略がそれに該当)と歳出削減が効果的であることを実証的分析が証明しています。消費税問題を財政再建の道具として考えることは不適切で、少子高齢化という長期的問題の解決方法として妥当か否かという観点で捉えるべきと考えます。樫田さんのコメントはまさに消費税問題を少子高齢化という長期的観点から捉えており傾聴に値すると解します。

樫田さんのコメントは以下の通りです。
「消費税の税率UPは、先送りしてはいけない。先送りすると、将来UPする税率もあがる。かといって現在の景気環境した急速な税率UPは消費マインドを低下させ、景気後退要因となるので、毎年1%ずつ上乗せしていく、逓増UP方式を採用すべきと思料します。最終年は10%程度に抑えたい。」

消費税問題で解決すべき問題は、①国民が大きな政府を必要とするのか小さな政府で良いのか国民のコンセンサスを得ることと、②消費税の逆進性(所得の少ない家計ほど、所得に対して負担する消費税の割合が高くなる)を解決する方策をとることです。消費税の逆進性を解決する方策はあります。ヨーロッパにおいては日常品に対して消費税がかからない、つまり、食料品等にゼロ税率を課しています。消費税の逆進性を以って消費税率のアップの反対を叫ぶ野党は、自ら政策能力のなさを公にしているようなものと考えます。与党、野党を問わず政治家が取り組まなくてはいけない課題は、税と社会保険料を合わせた国民の負担をどの程度までなら容認できるのか「政府のサイズ」に関する国民の選択の議論を国会の場で行うことと解します。国民が納得できる数値(金額の多寡ではなく、信頼性の高い数値)を示して議論することではじめて国民のコンセンサスを得ることが可能になると思料いたします。

次回以降で「消費税の長所と短所」と「日本の硬直した制度の問題点」を議論してみたいです。


下記が問題提起した12月8日付け本ブログ記事です。

*****

政府税制調査会は12月1日、2007年度税制改正に関する答申をまとめました。下記新聞記事を読んで下さい。気になる点があります。それは消費税問題が先送りされたことです。

政府税制調査会(首相の諮問機関)は12月1日、首相官邸で総会を開き、2007年度税制改正に関する答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。答申は企業の設備取得費を非課税扱いにできる減価償却制度の拡充や、国税と地方税を合わせた法人所得課税の実効税率(約40%)の引き下げを検討するよう提言。答申提出後の記者会見で政府税調の本間正明会長は、法人課税の実効税率について「税調委員の間では、引き下げの方向で検討すると合意できた」と強調。年明けから法人税減税の議論を本格化させる考えを示した。ー中略ー答申は社会保障費を賄う安定財源を確保する必要性を指摘したが、消費税への言及は避けた。本間会長は景気回復に伴う税収増を理由に「(消費税について答申で触れる)緊急性が高くないと判断した」と述べた。(東京新聞12月2日朝刊)

「消費税問題先送り」をどう思いますか?投稿して下さい。

更に、皆様が投稿するにあたって、早稲田大学大学院、野口悠紀雄教授のコメントを参考のため引用します。野口先生は"21世紀のグローバリゼーションは、早晩「家計所得対企業所得の分配の変化」をもたらす・・・・それを押しとどめることはできない。押しとどめればグローバリゼーションに立ち遅れる。これを矯正するには、財政を通じる再分配によらざるをえない。すなわち、法人税を強化し、所得税や消費税を減税する方向の税制改革だ。ところが、現実には、これとは逆方向の税制改革が行われようとしている。法人税を減税して所得税や消費税を引き上げる方向が実現しそうだ。これは企業所得対家計所得の分配をさらに企業所得に有利な方向に変更する(週刊ダイヤモンド2006/12/09「超」整理日記)"と言っています。野口先生の意見は暴論と考えますか、あるいは、正論と考えますか?

少子化、超高齢化、格差社会において、消費税問題を先送りすること是か非か?興味ある税制改革問題です。そこで皆様のご意見を聞きたいです。

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コメント

はじめまして。剣崎 進と申します。2007年4月後半に待望の子供が産まれる予定なので、ますます仕事にも力を入れて、将来の為に前進しておりますが、期待と不安だらけです。期待が1割、不安が9割で、その不安とは消費税問題であります。私が常に思ってる事は、150万円以下の物に関しては今まで通り5%のままにして頂いて、それ以上の物は10%にすればいいのになぁ~という事です。消費税問題を先送りにせず、今すぐにでもこの様にして頂けたら理想であります。

「消費税問題先送り」については、小職は特に意見を持っておりませんが、消費税の構造については、意見を持っております。
簡単に言うと、現行の日本の消費税については、役務提供地の定義に問題があると考えております。この点は、OECDの付加価値税の考え方や、EUの付加価値税の考え方と構造的に違うものです。簡単に言えば、日本の消費税は、役務提供地は、当該役務を提供者が提供した地であり、受領者のいる場所ではありません。これに対して、OECDやEUでは、
受領者のいる場所が提供地とされます。その考えに基づき、BtoBではリバースチャージが導入されていますし、BtoCを前提とする電子商取引においても、域外の提供者は、
EUでの付加価値税の登録が必要とされています。これらにより、域外域内の事業に対して課税の中立性を維持され、課税権の侵食を防がれます。
消費税の構造的欠陥を修復しないで、税率の増加が将来実施されることを前提にすると、消費税回避のプランニングが横行するものと考えます。

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