硬直化したシステム

| コメント(0)

税制改革ー税制改革の観点から提言することは「正直者はバカを見るという国民感情を是正する内容の改革の実施」にあると考えます。正直者はバカを見るという国民感情を是正するには、現在の硬直化したシステムの改革が求められると考えます。

現在起きている経済構造の変化を定性的に、かつ、定量的に分析しても、その分析結果が適正に反映される形で税制改革が行われなくては意味が無いです。しかし、残念ながら現在の税制改革システムでは無理ではないかと考えます。現在、政府税調の運営にあたっては、財務省主税局が大きな影響力をもっています。官僚が大きな影響力を持つということは、一般常識ではなく霞ヶ関の論理(行政主導・縦割り体質)で税の改正が行われるという意味です。さらに、政府税調よりも自民党税制調査会(自民党税調)の力が強く、永田町の論理(支援組織へのばら撒き)で、政府税調の答申の内容が自民党税調によってしばしば曲げられてしまいます。

右肩上がりの経済の下では、一定の税収が確保されるため、政府税調、自民党税調、財務省主税局が三位一体となった形での立法の仕組みでも大きな問題は生じなかったです。しかし、21世紀の税制改革は、人口減という大きな構造変化の中で行われなければなりません。 そこで提案したいのは、現在の税制改革システムを廃止し、欧米型の諮問機関(タスクフォース)による税制改革システムに移行させることです。すなわち、税制に係わる立法を行政、司法から完全に分立させ、本来の国家運営の基本に戻す手段として欧米型の諮問機関(タスクフォース)の創設し、その機関が税制改革の中心となることです。欧米型の税制改革システムは、政府が少数精鋭の税制専門家グループからなる諮問機関に税制改革の基本的なプラン作りを要請します。当該諮問機関は改革プランをまとめて公表を行います。この改革プランが国会の審議にかけられると同時に国民に向けた公聴会等が開かれ、国民の声を吸い上げつつ立法化されていきます。 

税制改革を阻害する問題点を二つ例示します。霞ヶ関の論理(行政主導・縦割り体質)や、永田町の論理(支援組織へのばら撒き)がもたらした問題を例示します。

霞ヶ関の論理(行政主導・縦割り体質)が如実に出て問題となっている制度は年金です。年金制度は、厚生年金、国民年金、公務員共済組合、議員年金とバラバラで、厚生年金に入っているサラリーマンは天引きされているのに対し、他の年金制度で生じている掛け金未納、役人優遇、議員特別待遇等の問題は放置されています。多くの国民は、年金問題はマスコミが騒ぐだけで、真の改革は出来ないのではないかと疑心暗鬼です。また、税金の徴収は国税庁が、年金の徴収は社会保険庁が行っています。何故、企業のようにリストラして徴収コスト削減に努めないのかと国民は疑問に思っています。

永田町の論理(支援組織へのばら撒き)の例としてとして、消費税の導入・引き上げのため、所得税の課税ベースを縮小したことです。消費税の導入・引き上げに対する国民の理解を得るために、所得税の課税ベースの縮小(所得控除の拡大)が行われてきました。その結果、就業者の四人に一人は所得税を払わなくていいという事態を招いています。つまり、今の所得税法は、“底に幾つもの穴の空いた桶”、すなわち、課税ベースが穴だらけの状態です。

政府税調、自民党税調、財務省主税局が三位一体となった税制改革システムがもたらした最大の弊害は、税に関して正直者はバカを見るという国民感情を醸成していることです。 税制改革の観点から提言することは「正直者はバカを見るという国民感情を是正する内容の改革の実施」にあると考えます。私見ですが、以下の内容を盛り込むことが重要と考えます。

  1. 「税金/年金の支払いに関して特権グループはなく、全員が応分の負担をすべきものである」という考え方の普及
  2. 年金の一元化
  3. 納税者番号制度の導入
  4. 所得税の課税ベースの適正化を意図した所得税法の改定
  5. 税金・年金徴収コストの削減策の立案と実施

上記施策の採用は、正直者はバカを見るという国民感情の是正に大いに役立つでしょう。 上述しましたように欧米型の諮問機関(タスクフォース)による税制改革システムに移行させることによって、マスタープランに基づいた税制改革が可能となるでしょう。私見ですが、硬直化したシステムの改革が所与の前提となって、はじめて消費税の増税が議論の遡上に上がってくると考えます。

コメントする

アーカイブ

Powered by Movable Type 6.0.3