納税義務者
租税法解釈ー税法の基本概念のひとつである「納税義務者」を説明しています。
納税義務者とは、納税義務の主体、つまり、税金の支払義務のある者を言います。納税義務者は納税主体あるいは納税者とも呼ばれています。納税義務者と担税者(税を最終的に負担する者)は多くの場合一致しますが、必ずしも一致しません。一致しない例として消費税があります。消費税の場合、消費税を負担する者は最終消費者ですが、納税義務者は最終消費者ではなく、最終消費者に物を販売した者、あるいはサービスを提供した者です。
自然人および法人が納税義務の主体と考えられますが、実際の経済社会では、種々の事業体があります。そのような事業体での納税義務者の判定が近年、重要な問題となってきています。それは、パス・スルー課税問題とか構成員課税問題と称されています。パス・スルー課税問題は別稿で検討する予定にしております。
納税義務者を無制限納税義務者と制限納税義務者とに分けることができます(金子宏著「租税法」第11版149頁)。
無制限納税義務者とは、わが国に住居または居所を有するため、いわば人的にわが国の課税権に服し、国内に源泉があるか国外にあるかを問わず、それに帰属する課税物件のすべてに納税義務を負う者をいいます。
制限納税義務者とはわが国に住居または居所はないが、財産や事業を有するため、その限度でいわば物的にわが国の課税権に服し、国内の源泉のある課税物件についてのみ納税義務を負う者をいいます。
法人税での内国法人が無制限納税義務者であり、外国法人が制限納税義務者となります。
監査法人、税理士法人の社員(パートナーと称される)は無限責任社員です。納税義務者の観点から、監査法人、税理士法人の社員は第二次納税義務者となります。本来の納税義務者である監査法人、税理士法人が納税を滞納し、その財産につき滞納処分してもなお徴収不足がある場合、第二次納税義務者として監査法人、税理士法人の社員は、連帯して納税の責任を負います。同様な法人形態である合名会社の社員、合資会社の無限責任社員も第二次納税義務者となります。
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