2007年5月アーカイブ

課税物件の帰属

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租税法解釈ー税法の基本概念のひとつである「課税物件の帰属」を説明しています。

課税物件納税義務者との結びつきを課税物件の帰属と言います。課税物件とは課税の対象となる物、行為または事実を言います。課税物件の解説は、本ブログ5月18日記事は参照して下さい。納税義務者とは納税義務の主体、つまり、税金の支払義務のある者を言います。納税義務者の解説は、本ブログ4月13日記事を参照して下さい。

課税物件の帰属について特に問題となるのは、名義と実体、形式と実質が一致しない場合です。名義株の課税上の取扱いが古典的実質課税の取扱いと考えられます。名義株の配当所得の帰属は名義人でなく、真の所有者に帰属することを法人税法上および所得税法上定めています。これを実質所得者課税の原則と呼んでいます。 該当する条文は法人税法第11条、所得税法第12条です。参考のため、法人税法11条を下記に引用します。 

経済取引がグローバル化され、複雑になるにつれて課税物件の帰属に関して納税者と課税庁の間に意見の齟齬が見られるようになります。近年、話題となる税務訴訟は多かれ少なかれ課税物件の帰属に関する争いであることを申し添えます。

 

 

課税物件

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租税法解釈ー税法の基本概念のひとつである「課税物件」を説明しています。

課税物件とは課税の対象となる物、行為または事実をいいます。課税物件は課税客体とも呼ばれています。 何が個別の租税の課税物件であるかは、それぞれの税法に定められています。それぞれ税法の課税物件は以下の通りです。

  • 法人税ー法人の所得
  • 所得税ー個人の所得
  • 相続税ー取得した資産
  • 贈与税ー取得した資産
  • 消費税ー資産の譲渡、サービスの提供

何を課税物件にするかは、立法者が自由に決定しうる事柄ですが、客観的に把握できるような物・行為でなければならないです。また、公益上の必要、徴収の困難、担税力の薄弱等より、課税の対象となる物、行為または事実のうち、特定のものを法令上課税の対象から外すことがあります。これを物的非課税と呼びます。その一例として、所得税第9条(非課税所得)で定めた内容があります。所得税法上、会社から支給された転勤費用、給与に加算される通勤手当、外国政府に勤務する者の給与所得、文化功労者に支払われる年金、ノーベル賞の賞金等は非課税所得になります。 所得税第9条を下記に引用します。

 

 

 

移転価格事務運営要領草案

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私見争見ー国税庁は移転価格の事務運営指針の草案を平成19年4月13日に公開し、その草案に対して意見公募(パブリックコメント)を実施しました。当該事務運営指針の草案に対する私見と、その私見に基づいて村田守弘が国税庁に提出した意見書について報告いたします。 

平成19年4月13日に移転価格事務運営要領(事務運営指針)新旧対照表(案)別冊(移転価格税制の適用に当たっての参考事例集)が公表されました。当該事務運営指針の草案に対して国税庁は意見公募(パブリックコメント)を実施しました。 意見公募の期日は平成19年5月12日です。

事務運営指針は通達のようなものです。また、参考事例集は今までありませんでした。今回、参考事例集が初めて作成されました。参考事例集は事務運営指針と同列に取扱われています。参考事例集は、良く出来ているので移転価格調査において、当該参考事例集はバイブルとなるでしょう。ここで問題にしたい点があります。「参考事例集は良く出来ている」は調査する立場から良く出来ているのであって、納税者の立場からではありません。参考事例集が出来たことにより、より厳しい移転価格課税が納税者に対して行われる懸念が大いにあります。

移転価格税制を一言で言えば下記の通りです。

「仲間内での取引に利用される価格は恣意的である。その恣意性を排除するには、他人に売却する価格(独立企業間価格)を使用する必要がある。そして独立企業間価格を使用している限り、移転価格は適正である」

移転価格税制の基礎となる概念は、独立企業間価格です。この独立企業間価格の適正性が移転価格調査では常に問題にされます。移転価格調査の現状は、「納税者の合理的主張に基づく独立企業間価格は認めない。国税が決定する独立企業間価格で更正する」です。参考事例集のかなりの部分が、この現状を追認する内容となっております。この点が懸念されます。

私の懸念材料となっている問題点の指摘とその改善を求める意見書を作成しました。そして、平成19年5月10日、国税庁に当該意見書を提出いたしました。時間の制約もあって、私が提出した意見は、参考事例集の問題点を限定的に取り上げることに終わっています。そのこと申し上げます。また、それが個人的には残念です。

青春

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清談涼談ーサムエル・ウルマンが78歳の時、書いた詩" YOUTH "は、元気が出る詩ですので紹介いたします。彼の詩は多くの人が翻訳していますが、ここでは杜祐祠さんが翻訳したものを掲載しています。

青春

作:サムエル・ウルマン (翻訳:杜祐祠)

若さとは、肉体的青年期をいうのか。いや、心の持ち方をいうのだろう。若さとは、バラ色の頬、真っ赤な唇、柔軟なひざをいうのか。いや、願望、想像力、気力をいうのだろう。人生の春の瑞々しさをいうのだろう。  

若さとは、求めることに臆病であるより勇気を重んじる気質であり、易きに流れるより冒険を求めることである。若さとは、しばしば20歳の肉体でなく、60歳の人に宿っている。単に歳を重ねるだけで、人は老いることはない。理想を捨てた時、はじめて人は老いる。 

歳月は、身体に皺を作るかもしれない。しかし、熱情を失った時、心の皺は、突然生じる。不安、恐れ、不信は心を痛め、心は灰となるだろう。

60歳であろうと16歳であろうと、未知にとりつかれる、次に何が起こるかを期待する子供のような心、まるでゲームのように生きることの喜びを人は誰でも持っている。人が示唆する美しさを、希望を、励ましを、勇気を、力を!神が啓示する美しさを、希望を、励ましを、勇気を、力を!あなたの受信機で受け止めることが出来る限り、あなたの若さは保たれる  

アンテナを低くすると、批判は雪のように心に積もり、悲嘆は氷のように心を覆う。その時、たとえあなたが20歳でも、あなたは老いる。アンテナを高くし、希望のシグナルを受取る限り、たとえ80歳を一期として人生を終わるとしても、その時、あなたは若い。

 

あまりに便利な世界に囲まれていると、見えなくなるものが多々あります。そのひとつに「若さ」があります。若さを保つため、我々は血液サラサラ健康法、身体に良い運動等に多くの時間とおカネを費やしています。ウルマンのいう「若さ」は、我々の健康法では得られない若さです。自分の心のシグナルを謙虚に聞きなさいとウルマンは言っているようです。自分の心のシグナルを謙虚に聞くとは、「神が啓示する美しさを、希望を、励ましを、勇気を、力を」感じる感性が必要ではないかと思料いたします。

ここに原文を添付します。

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