受取配当金
租税法解説ー受取配当金の法人税法上の取扱いを説明しています。
法人が他の会社から配当を受けた場合、当該法人は申告を条件として受取配当金を益金不算入にする取扱いが認められます。受取配当金の益金不算入の取扱いは、その配当金の支払いが子会社・関係会社(関係法人株式等)からされた場合とそれ以外の会社された場合で異なります。前者の場合は、受取配当金の全額が益金不算入となりますが、後者の場合は100分の50が益金不算入となります。
さらに、配当計算期間の末日以前1ヶ月以内に対象となる株式を取得し、かつ、配当計算期間の末日以後2ヶ月以内に売却した場合には、当該受取配当金は益金算入されます。また、受取配当金の益金不算入の額は、会計上認識された受取配当金から株式取得に関わる借入金の支払い利息を差し引いた金額です。これを受取配当等から控除する負債の利子と呼びます。
関係法人株式等とは配当を受け取る内国法人が他の内国法人の発行済株式総数(出資金額)の25%以上を、配当等の支払義務が確定する日以前6か月以上引き続き保有している場合の株式等です。
受取配当金の益金不算入は、法人擬制説(法人は、それ自体が実在しているように見える組織であるが、実は、株主の単なる集合体に過ぎないという考え)にその理論的根拠を置いています。よって、法人の所得は、究極的に個人株主に帰属して完結します。法人が別法人から受取配当金をうけた場合、当該別法人で課税された税引き後の所得が配当になります。その配当が更に課税されると同一所得に対して二回課税されるという二重課税が発生します。株主に配当される前に二重課税されることは、法人擬制説の下では、不合理です。よって、受取配当金は益金不算入の取扱いが必要とされます。 受取配当に関わる条文を下記に引用します。
法23「内国法人が受ける次に掲げる金額(外国法人若しくは公益法人等又は人格のない社団等から受ける第一号に掲げるものを除く。以下この条において「配当等の額」という。)のうち、連結法人株式等(連結法人の株式又は出資のうち政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等(株式、出資又は受益証券をいう。以下この条において同じ。)に係る配当等の額の百分の五十に相当する金額並びに関係法人株式等に係る配当等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
一 剰余金の配当(株式又は出資に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの及び分割型分割によるものを除く。)若しくは利益の配当(分割型分割によるものを除く。)又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。)の額
二 資産の流動化に関する法律第百十五条第一項 (中間配当)に規定する金銭の分配の額
三 特定信託の収益の分配の額として政令で定めるところにより計算した金額
四 公社債投資信託以外の証券投資信託の収益の分配の額のうち、内国法人から受ける第一号に掲げる金額から成るものとして政令で定めるところにより計算した金額
2 内国法人が受ける配当等の額のうち、連結法人株式等に係る配当等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
3 前二項の規定は、内国法人がその受ける配当等の額(次条第一項の規定により、その内国法人が受ける配当等の額とみなされる金額を除く。以下この項において同じ。)の元本である株式等をその配当等の額の支払に係る基準日(信託の収益の分配にあつては、その計算の基礎となつた期間の末日)以前一月以内に取得し、かつ、当該株式等又は当該株式等と銘柄を同じくする株式等を当該基準日後二月以内に譲渡した場合における当該譲渡した株式等のうち政令で定めるものの配当等の額については、適用しない。
4 第一項の場合において、同項の内国法人が当該事業年度において支払う負債の利子(これに準ずるものとして政令で定めるものを含むものとし、当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人に支払うものを除く。)があるときは、同項の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入しない金額は、次に掲げる金額の合計額とする。
一 その保有する連結法人株式等及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等につき当該事業年度において受ける配当等の額の合計額から当該負債の利子の額のうち当該株式等に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額の百分の五十に相当する金額
二 その保有する関係法人株式等につき当該事業年度において受ける配当等の額の合計額から当該負債の利子の額のうち当該関係法人株式等に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額
5 第一項及び前項に規定する関係法人株式等とは、内国法人が他の内国法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。)の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の二十五以上に相当する数又は金額の株式又は出資を有する場合として政令で定める場合における当該他の内国法人の株式又は出資(連結法人株式等を除く。)をいう。
6 第一項及び第二項の規定は、確定申告書に益金の額に算入されない配当等の額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定により益金の額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
7 税務署長は、第一項及び第二項の規定により益金の額に算入されないこととなる金額の全部又は一部につき前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載がなかつた金額につき第一項及び第二項の規定を適用することができる。
8 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により株式等の移転が行われた場合における第一項から第三項までの規定の適用その他第一項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。」
法24「法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。以下この条において同じ。)の株主等である内国法人が当該法人の次に掲げる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額が当該法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうちその交付の基因となつた当該法人の株式又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、この法律の規定の適用については、その超える部分の金額は、前条第一項第一号に掲げる金額とみなす。
一 合併(適格合併を除く。)
二 分割型分割(適格分割型分割を除く。)
三 資本の払戻し(剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち、分割型分割によるもの以外のものをいう。)又は解散による残余財産の分配
四 自己の株式又は出資の取得(証券取引所の開設する市場における購入による取得その他の政令で定める取得及び第六十一条の二第十一項第一号から第三号まで(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)に掲げる株式又は出資の同項に規定する場合に該当する場合における取得を除く。)
五 出資の消却(取得した出資について行うものを除く。)、出資の払戻し、社員その他法人の出資者の退社又は脱退による持分の払戻しその他株式又は出資をその発行した法人が取得することなく消滅させること。
六 組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をした法人の株式又は出資以外の資産を交付したものに限る。)
2 合併法人が抱合株式(当該合併法人が合併の直前に有していた被合併法人の株式(出資を含む。以下この項において同じ。)又は被合併法人が当該合併の直前に有していた他の被合併法人の株式をいう。)に対し当該合併による株式の割当て又は当該株式以外の資産の交付をしなかつた場合においても、政令で定めるところにより当該合併法人が株式割当等(当該合併による当該株式の割当て又は当該資産の交付をいう。)を受けたものとみなして、前項の規定を適用する。
3 第一項に規定する株式又は出資に対応する部分の金額の計算の方法その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。 」
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