2007年7月アーカイブ

終身雇用を考える

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日本経営の代表的特徴である終身雇用について私見を述べています。

私が税理士法人の代表であった時、日本経営の代表的特徴である年功序列終身雇用に対して、私は「年功序列は組織運営上弊害となる。しかし、終身雇用は保証すべきである」との見解を持っていました。その見解を持っていながら、「終身雇用は保証すべきである」の部分が何かしっくりこなかったことは事実でした。日本経営の代表的特徴である年功序列と終身雇用を指摘した学者がジェームス・C・アベグレンという米国人であることを最近知りました。彼は、日本経営の代表的特徴はLifetime Commitmentであると彼の論文の中で述べていたそうです。Lifetime Commitmentが終身雇用と訳されたこと、それが後日、Lifetime Employmentと再翻訳されたことから、Lifetime Employment=終身雇用の概念となり、それがひとり歩きして、多くの人がその概念で終身雇用を論じるようになったのです。アベグレンが言いたかったことは、企業とそこに働く人々が共にコミットメント(義務、責務、責任、約束、公約、言質)を永続的に持つような企業経営に日本経営の代表的特徴が見出せるではないかと思料します。そう理解すると、私の中にある終身雇用に対するしっくりしない感情が目から鱗が落ちる如く消えていきました。

永続的コミットメント経営(Lifetime Commitmentを村田が意訳)の主たる施策は、長期雇用、手厚い福利厚生、内部留保の充実にあります。そして、その経営施策のもたらす効果が結果として、企業の無形資産の形成にあります。永続的コミットメント経営の持つメリットに関して、神戸大学の加護野忠男先生が書かれた記事(プレジデント 2007.7.2)を参考して述べます。

  • 改善へのインセンティブ。職場共同体の人々は、与えられ仕事の枠を超え、職場の改善のために知恵を使うようになる。
  • 社内統制コストの削減。人々は会社を自分のものと思っているから、自分の会社を傷つけるような行動を許さない。自制心が働く。
  • 積極的人材投資が可能。育成した人間が会社に残る安心感があるから、安心して人材投資が出来る。
  • 人材が企業の人財となる。人財こそ、国際競争の勝ち抜くための無形資産となる。

日本経済が右肩上がりの時代、人件費のアップは売上増により容易に吸収することが出来ました。それによって、安易な方向であるコミットメントなしの終身雇用が定着し始めました。しかし、バブルが弾けると、コミットメントなしの終身雇用がもたらす弊害が顕在化するようになりました。その結果、欧米の能力主義と成果連動型報酬制度が盛んに導入されました。 その点から考えると、日本企業の経営は、欧米型経営に移行しました。しかし、日本人には欧米人のDNAはありません。人財という無形資産を日本企業が創造するには、日本人のDNAに合った永続的コミットメント経営に回帰することも大事と考えます。私の結論は「永続的コミットメント経営を経営者はすべきである。しかし、年功序列は組織運営上弊害となるので、廃止すべきである」です。みなさまのご意見を聞きたいです。

杜祐祠「感動」

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杜祐祠さんの作品ー杜祐祠さんの詩「感動」を紹介します。 

感動 

君は感動することを忘れたのだろうか

君は言う、

映画を見ていると感動に涙することがあると

君は言う、

スポーツを見ていると感動に涙することがあると

 

そんな感動はごみ箱に捨ててしまえと僕は言う

僕は思う、

ごみ箱に捨てる感動さえ自分は持っていないと

僕は思う、

感動することさえ自分は忘れてしまったのだと

 

ある日、感動という名の雷鳴が心に突然とどろいた。

雷と共に激しい雨が心の中にふってきた。

僕はその雨の中に傘もささずに飛び出した。

 

僕は感動することを忘れたのだろうか

君は言う、

雨の中に傘もささずに飛び出した貴方は感動的だったと

僕も言う、

雨の中に傘もささずに飛び出した僕は感動を覚えたと

 

僕は感動することを忘れたのだろうか

君は言う、

すべてが感動的よ、映画、スポーツ、そして貴方の人生

僕も言う、

すべてが感動的だ、映画、スポーツ、そして我々の人生

租税法解説ー国税庁は移転価格の事務運営指針の草案を平成19年4月13日に公開し、その草案に対して意見公募(パブリックコメント)を実施し、その意見募集の結果を6月25日に公示いたしました。

意見募集の結果は、「国税庁の見解」(クリックして下さい)としてまとめられています。意見公募に対して17通の意見が寄せられ、その寄せられた意見に対して国税庁の見解が示されたことは、税務執行の透明性を高める観点から評価すべきものと考えます。

私が講師を務める7月23日の租研でのセミナーでは、国税庁の見解に対する評価と、税務執行上の懸念を議論しようと考えています。

上記移転価格の事務運営指針の草案に対するブログ記事(私見争見ー5月11日)も参照してください。

 

配当控除(所得税)

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租税法解説ー受取配当金の所得税法上の取扱いを説明しています。

個人が内国法人から配当を受けた場合、一定金額を税額控除として認める制度が配当控除です。個人が受け取った配当は、内国法人が税引き後の利益がその配当の源泉になっています。その配当が個人のレベルで更に課税されると同一所得に対して二回課税されるという二重課税が発生します。二重課税を排除するひとつの方法として税額控除があります。法人擬制説(法人は、それ自体が実在しているように見える組織で、実は、株主の単なる集合体に過ぎないという考え)の下では、法人税は所得税の前払いに過ぎません。そして本邦税制は法人擬制説に基づいています。ですから、前払いした法人税相当額を配当控除として調整する制度です。 配当控除は以下のように計算されます。課税総所得金額が1千万円以下の場合を例にしますと、次のイとロの合計額が配当控除の金額となります。

イ  剰余金の配当等に係る配当所得(特定株式投資信託の収益の分配に係る配当所得を含みます。)×10%

ロ  証券投資信託の収益の分配金に係る配当所得(特定株式投資信託の収益の分配に係る配当所得を除きます。以下同じ。)×5%。但し、証券投資信託の収益の分配に係る配当所得のうち、特定外貨建等証券投資信託以外の外貨建証券投資信託の収益の分配に係る配当所得については、2.5%  

配当控除に関わる条文を下記に引用します。

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