配当控除(所得税)

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租税法解説ー受取配当金の所得税法上の取扱いを説明しています。

個人が内国法人から配当を受けた場合、一定金額を税額控除として認める制度が配当控除です。個人が受け取った配当は、内国法人が税引き後の利益がその配当の源泉になっています。その配当が個人のレベルで更に課税されると同一所得に対して二回課税されるという二重課税が発生します。二重課税を排除するひとつの方法として税額控除があります。法人擬制説(法人は、それ自体が実在しているように見える組織で、実は、株主の単なる集合体に過ぎないという考え)の下では、法人税は所得税の前払いに過ぎません。そして本邦税制は法人擬制説に基づいています。ですから、前払いした法人税相当額を配当控除として調整する制度です。 配当控除は以下のように計算されます。課税総所得金額が1千万円以下の場合を例にしますと、次のイとロの合計額が配当控除の金額となります。

イ  剰余金の配当等に係る配当所得(特定株式投資信託の収益の分配に係る配当所得を含みます。)×10%

ロ  証券投資信託の収益の分配金に係る配当所得(特定株式投資信託の収益の分配に係る配当所得を除きます。以下同じ。)×5%。但し、証券投資信託の収益の分配に係る配当所得のうち、特定外貨建等証券投資信託以外の外貨建証券投資信託の収益の分配に係る配当所得については、2.5%  

配当控除に関わる条文を下記に引用します。

所92「居住者が剰余金の配当(第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当をいう。以下この条において同じ。)、利益の配当(同項に規定する利益の配当をいう。以下この条において同じ。)、剰余金の分配(同項に規定する剰余金の分配をいう。以下この条において同じ。)、証券投資信託若しくは特定投資信託(法人税法第二条第二十九号の三 イ(定義)に掲げる信託をいう。以下この項において同じ。)の収益の分配(第九条第一項第十一号(元本の払戻しに係る収益の分配の非課税)に掲げるものを含まない。以下この条において同じ。)又は特定目的信託の収益の分配に係る配当所得(外国法人から受けるこれらの金額に係るもの(外国法人の国内にある営業所、事務所その他これらに準ずるものに信託された証券投資信託若しくは特定投資信託の収益の分配又は特定目的信託の収益の分配に係るものを除く。)を除く。以下この条において同じ。)を有する場合には、その居住者のその年分の所得税額(前節(税率)の規定による所得税の額をいう。以下この条において同じ。)から、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。 一  その年分の課税総所得金額が千万円以下である場合 次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額イ 剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、特定投資信託の収益の分配及び特定目的信託の収益の分配(以下この項において「剰余金の配当等」という。)に係る配当所得 当該配当所得の金額に百分の十を乗じて計算した金額ロ 証券投資信託の収益の分配に係る配当所得 当該配当所得の金額に百分の五を乗じて計算した金額二  その年分の課税総所得金額が千万円を超え、かつ、当該課税総所得金額から証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額を控除した金額が千万円以下である場合 次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額イ 剰余金の配当等に係る配当所得 当該配当所得の金額に百分の十を乗じて計算した金額ロ 証券投資信託の収益の分配に係る配当所得 当該配当所得の金額のうち、当該課税総所得金額から千万円を控除した金額に相当する金額については百分の二・五を、その他の金額については百分の五をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額三  前二号に掲げる場合以外の場合 次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額イ 剰余金の配当等に係る配当所得 当該配当所得の金額のうち、当該課税総所得金額から千万円とロに掲げる配当所得の金額との合計額を控除した金額に達するまでの金額については百分の五を、その他の金額については百分の十をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額ロ 証券投資信託の収益の分配に係る配当所得 当該配当所得の金額に百分の二・五を乗じて計算した金額2  前項の規定による控除をすべき金額は、課税総所得金額に係る所得税額、課税山林所得金額に係る所得税額又は課税退職所得金額に係る所得税額から順次控除する。この場合において、当該控除をすべき金額がその年分の所得税額をこえるときは、当該控除をすべき金額は、当該所得税額に相当する金額とする。 3  第一項の規定による控除は、配当控除という。

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