移転価格事務運営指針(改訂版)の公示

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租税法解説ー国税庁は移転価格の事務運営指針の草案を平成19年4月13日に公開し、その草案に対して意見公募(パブリックコメント)を実施し、その意見募集の結果を6月25日に公示いたしました。

意見募集の結果は、「国税庁の見解」(クリックして下さい)としてまとめられています。意見公募に対して17通の意見が寄せられ、その寄せられた意見に対して国税庁の見解が示されたことは、税務執行の透明性を高める観点から評価すべきものと考えます。

私が講師を務める7月23日の租研でのセミナーでは、国税庁の見解に対する評価と、税務執行上の懸念を議論しようと考えています。

上記移転価格の事務運営指針の草案に対するブログ記事(私見争見ー5月11日)も参照してください。

 

5月11日ブログ記事の抜粋です。事務運営指針は通達のようなものです。また、参考事例集は今までありませんでした。今回、参考事例集が初めて作成されました。参考事例集は事務運営指針と同列に取扱われています。参考事例集は、良く出来ているので移転価格調査において、当該参考事例集はバイブルとなるでしょう。ここで問題にしたい点があります。「参考事例集は良く出来ている」は調査する立場から良く出来ているのであって、納税者の立場からではありません。

参考事例集が出来たことにより、より厳しい移転価格課税が納税者に対して行われる懸念が大いにあります。 移転価格税制を一言で言えば下記の通りです。

 「仲間内での取引に利用される価格は恣意的である。その恣意性を排除するには、他人に売却する価格(独立企業間価格)を使用する必要がある。そして独立企業間価格を使用している限り、移転価格は適正である」

移転価格税制の基礎となる概念は、独立企業間価格です。この独立企業間価格の適正性が移転価格調査では常に問題にされます。移転価格調査の現状は、「納税者の合理的主張に基づく独立企業間価格は認めない。国税が決定する独立企業間価格で更正する」です。参考事例集のかなりの部分が、この現状を追認する内容となっております。この点が懸念されます。

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