祝婚歌(吉野弘作)

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みなさまが贈られてうれしい詩を杜祐祠さんが紹介しています。

 

「祝婚歌」

 

作:吉野弘

 

二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

立派過ぎないほうがいい

立派過ぎることは

長持ちしないことだと気付いているほうがいい

 

完璧をめざさないほうがいい

完璧なんて不自然なことだと

うそぶいているほうがいい

二人のうちどちらかが

ふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

 

互いに非難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで疑わしくなるほうがいい

 

正しいことを言うときは

少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは

相手を傷つけやすいものだと

気付いているほうがいい

 

立派でありたいとか

正しくありたいとかいう

無理な緊張には

色目を使わず

 

ゆったり

ゆたかに

光を浴びているほうがいい

 

健康で風に吹かれながら

生きていることのなつかしさに

ふと胸が熱くなる

そんな日があってもいい

 

そして

なぜ胸が熱くなるのか

黙っていても

二人にはわかるのであってほしい

 

秋は、結婚する人が多い季節です。これから新しい船出をするカップルに吉野弘さんの祝婚歌を贈って下さい。また、何十年も前に結婚した人も祝婚歌を読んで見て下さい。長い結婚生活で忘れてしまった大事なことを思い出させてくれるかも知れません。

 

吉野弘(よしのひろし)さんは、1926年山形県酒井市に生まれる。1957年詩集「消息」が出版される。以降数多くの詩集を出している。人生のふしぶしを優しいこころで詠った彼の詩は、読者をほのぼのとした気持ちにさせる特徴がある。

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初めまして,大阪の仲居 一平といます。
結婚式場のPA(音響担当)をしております。
式場で見聞きする楽しい演出やスピーチを紹介するブログを立ち上げています。

同じ祝婚歌を取り上げておられるのでトラックバックを打たせていただきました。

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