有価証券の譲渡益、譲渡損

| | Comments (0) | TrackBacks (0)

租税法解釈 有価証券を譲渡したことによる損益の法人税法上の取扱いを説明しています。

 

有価証券を譲渡したことによる損益は、課税所得の計算上、益金または損金の額に算入されます。更に期末に所有する売買目的の有価証券は、期末に時価評価を行い、その評価損益も課税所得に含まれます。実現した損益だけでなく未実現の評価損益も課税対象となる取扱いは他の資産と異なっています。有価証券は、デリバティブ取引等を通じた利益操作の道具になるため、租税回避を防止するという趣旨から時価評価が導入されています。

 

法人税法上、有価証券とは金融商品取引法第2条第1項に規定する有価証券その他これに準ずるものを言います(2二十一)。有価証券の譲渡とは株式市場で売却されたものに限らず、有価証券の移転や消滅も有価証券の譲渡に含まれます。下記の如く有価証券の区分変更の事実が生じた場合には、その時点において有価証券は時価にて譲渡されたものと看做されます。

    売買目的有価証券が企業支配株式(20%以上の持株)に該当することとなったこと、または法人が短期売買業務のすべてを廃止した時

    企業支配株式が企業支配株式に該当しなくなった時

    法令に従って新たにその他有価証券を短期売買業務に使用することになった時、またはその他有価証券が企業支配株式に該当することとなった時

 

有価証券の評価方法は区分に応じて定められています。売買目的有価証券は時価、売買目的以外の有価証券は原価法または償却原価法(帳簿価格に一定の調整を加える方法)によることとされています。

 

該当する条文を下記に引用いたします。

法61条の3
内国法人が事業年度終了の時において有する有価証券については、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ当該各号に定める金額をもつて、その時における評価額とする。
 売買目的有価証券(短期的な価格の変動を利用して利益を得る目的で取得した有価証券として政令で定めるものをいう。以下この項及び次項において同じ。) 当該売買目的有価証券を時価法(事業年度終了の時において有する有価証券を銘柄の異なるごとに区別し、その銘柄の同じものについて、その時における価額として政令で定めるところにより計算した金額をもつて当該有価証券のその時における評価額とする方法をいう。)により評価した金額(次項において「時価評価金額」という。)
 売買目的外有価証券(売買目的有価証券以外の有価証券をいう。) 当該売買目的外有価証券を原価法(事業年度終了の時において有する有価証券(以下この号において「期末保有有価証券」という。)について、その時における帳簿価額(償還期限及び償還金額の定めのある有価証券にあつては、政令で定めるところにより当該帳簿価額と当該償還金額との差額のうち当該事業年度に配分すべき金額を加算し、又は減算した金額)をもつて当該期末保有有価証券のその時における評価額とする方法をいう。)により評価した金額
 内国法人が事業年度終了の時において売買目的有価証券を有する場合には、当該売買目的有価証券に係る評価益(当該売買目的有価証券の時価評価金額が当該売買目的有価証券のその時における帳簿価額(以下この項において「期末帳簿価額」という。)を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)又は評価損(当該売買目的有価証券の期末帳簿価額が当該売買目的有価証券の時価評価金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)は、第二十五条第一項(資産の評価益の益金不算入)又は第三十三条第一項(資産の評価損の損金不算入)の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
 前項に規定する評価益又は評価損の翌事業年度における処理その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

カテゴリ

0 TrackBacks

Listed below are links to blogs that reference this entry: 有価証券の譲渡益、譲渡損.

TrackBack URL for this entry: http://www.muratatax.com/mt-tb.cgi/80

コメントする

アーカイブ

Powered by Movable Type 4.22-ja