「給付付き税額控除」について

| | Comments (1) | TrackBacks (0)

日本経済新聞、平成21108日朝刊に次の記事が一面トップに載りました。

【「給付付き税額控除」検討 首相指示、新政府税調に】鳩山由紀夫首相は8日発足する新政府税制調査会に出席し、所得税の減税と給付金を組み合わせた「給付付き税額控除」の検討を諮問する。納税者の所得を把握する「納税者番号制度」と一体で将来的な導入を目指す10年度の税制改正案は12月中旬にまとめる。

 

「給付付き税額控除」について、私のブログ記事(平成19615日)「格差是正の税制改革 若年層の格差是正」で解説していますので、当該記事の一部を引用します。

 

若年層の格差解消の施策のひとつとしての「給付つき税額控除制度」があります。

全国消費実態調査によりますと、ひとつは若年層の格差が拡大してきています。もうひとつは高年齢者層の格差です。会社生活を続けていれば勝ち組と負け組みに分かれて、ある程度の格差が生じることは、已む得ないことかもしれません。しかし、極端な格差が生じることは問題です。

少子化解消のためには、若年層の格差解消の施策をとることが大事です。若年層の格差は非正規雇用やフリーターの増加から生まれてきています。それらの人々の年収(200?300万円)では結婚できません。これが更なる少子化に結びつくという悪循環になります。そこで、税・社会保障の所得再分配機能を利用した格差解消策として、「給付つき税額控除制度」があります。

 

給付つき税額控除制度とは、ある一定以下の所得水準の家庭には生活保護を給付する。そして、その家庭の所得が上がっても、一定の所得水準に達するまで(税額控除の方法で)減税措置が受けられるようにし、一定の所得水準を超えた時、減税措置がなくなる制度です。給付つき税額控除制度は欧米で広く採用されている制度で、格差解消にかなりの効果を発揮しているそうです。

給付つき税額控除制度をわが国で導入する際の課題として、下記の事項に留意する必要があります。

l         税制と社会保障給付を一体運営するためには、霞ヶ関の縦割り制度を改める必要がある。

l         不正還付を防ぐ手当が必要である。

l         給付つき税額控除制度は家族単位で管理する必要がある。現在の所得税は個人単位で家族単位になっていない。

l         バラバラの社会保障と税を整合して税・社会保障の所得再分配機能の効率化を図ること。

カテゴリ

0 TrackBacks

Listed below are links to blogs that reference this entry: 「給付付き税額控除」について.

TrackBack URL for this entry: http://www.muratatax.com/mt-tb.cgi/770

1 Comments

阿部利昭 said:

問題提起と公開の場で議論する民主党の姿勢は評価できますが、越えなければならないハードルは相当高いと思います。最近の報道をみていますと、給付付き税額控除に限らず制度改革全般にわたって税務行政執行体制の重要性があまり認識されていないように見受けられます。これは当局側が検討する問題といってしまえばそれまでですが納税者側からの検討も大切です。税額控除だけであれば実際に税金を支払った人の範囲で公平性、正確性を確保するだけですみますが、給付金となると申告していない人まで含め対象は一気に広がります。今の地方自治体には公平で正確な課税と給付を執行する能力があるかどうか疑問ですし、国民の側でも知っている人だけが得をすることになりかねません。従って、給付付き税額控除については税務行政執行体制との兼ね合いを優先的に点検しながら議論を進めていくことが大切と思います。何故なら課税権を地方に分散すれば余分な徴税コストがかかり、結局それを国民が負担することになると思うからです。

コメントする

最近のコメント

アーカイブ

Powered by Movable Type 4.22-ja