2009年11月アーカイブ

IFRSは誰のもの!?

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IFRSに対する出版界の熱狂振りに懸念した岡目八目の議論です。

 

多くのIFRS関連の書籍が大型書店に平積みされています。私見ですが、IFRSに対する出版界の熱狂振りに浮かされて、IFRSの全体像が見えなくなっているように感じます。IFRSに対する出版界の熱狂振りは、あたかも、従来の企業会計原則が2015年にはその役目を終えて主役の座をIFRSに明け渡す会計維新を惹起させます。

私の懸念は、IFRSの強制適用が早ければ2015年に開始される可能性の意味するところが曖昧に思われるところにあります。本邦には250万社を超える株式会社があると言われています。その250万社超すべての株式会社がIFRSの対象になるのか、あるいは、約3,700社の上場企業(全株式会社のわずか0.1%強)のみが対象になるのかがいまひとつ不明なことです。もし、IFRSの適用が上場企業のみに対してであるなら、従来の企業会計原則にとって代わるとは考えにくいです。今のIFRSブームは、木を見て森を見ない話に基づいているような気がします。「IFRSは誰のもの!?」は、多くの人の素朴な疑問のように思われます。

税務訴訟までいった移転価格税制による更正案件であるアドビ事件を税理士の視点より検討した私と藤澤税理士の論文(クリックすると当該論文が読めます)が雑誌NBL(2009.11.1)に掲載されました。

アドビ事件とは、アドビシステムズ株式会社(アドビ社)と同社の国外関連者との取引が問題にされた事件です。

アドビ社は,コンピューターソフトの販売支援,マーケッティング,製品サポート事業を業とする内国法人です。アドビ社の親会社は、PDFソフトの開発・製品の販売を業とする外国法人であります。本更正事案は、アドビ社の所得が国外関連取引を通じて海外へ移転されたとして東京国税局により更正された移転価格事案です。この更正に対して、アドビ社は賦課決定の取消を求め、平成201030日、東京高裁第16民事部(宗宮英俊裁判長)は、東京国税局のした独立企業間価格の算定方法は合理的な方法とはいえないとして、課税処分を取り消しました。東京国税局が上告を断念しましたので納税者勝訴が確定した税務訴訟事件です。この事件について税理士の視点より検討いたしました。

11月12日の日経新聞朝刊の 広告 (クリックすると当該新聞広告が現れます)に拙著が掲載されました。

公認会計士のための租税法(クリックするとamazonの検索画面に飛びます)が出版されました。

租税法に関する解説は網羅的にしておりますが、それに加えて申し上げたい点があります。公認会計士(坂本道美氏)と税理士(村田)の現場目線によるコラム・ディスカッションは、一読の価値がある読みどころです。更に、法人税の観点から税効果会計の取扱いも詳細に説明しています。それ故、この本は、会計監査に関与する公認会計士(公認会計士試験合格者、USCPAを含む)の皆様が手許に置いておくに最適の書と考えます。

また、この本は、公認会計士のみならず、企業の経理部門の中枢にいる方々にも有用と考えます。当期純利益の極大化は企業の実効税率の減少なくしては図れないです。低い実効税率を実現させるためには、戦略的税務対策が必要です。本書を注意深く読むことで戦略的税務対策のヒントが十分得られることと思います。

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