2010年12月アーカイブ

日本の成長戦略に対する警鐘!

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ロバートFケネディが1968318日にカンザス大学で行なったスピーチの内容は、40年を経った今も、さん然と輝いています。「GNPには、大気汚染、タバコの広告代、交通事故死の遺体運びの救急車のコストが含まれている。しかし、詩の与える感銘、結婚の絆、公共のことを語れる知性、官僚の誠実性等はGNPに含まれない・・・が要旨です。敢えて、彼のスピーチを原文で紹介します。文中にあるWhitmanSpeckは、1966年に大量殺人をした犯人の名前です。

 

最後の文章"And it can tell us everything about America except why we are proud that we are Americans."を日本と読み替えると「GDPは日本のことを物語ってくれます。しかし、何故・・われわれが日本人であることに誇りを持つかをGDPは物語ってくれません」となります。日本人は、勇気、思い遣り、智恵、愛しみを大事にしてきました。GDPだけの成長戦略を見直す時期が来ているようです。

 

Our Gross National Product, now, is over $800 billion dollars a year, but that Gross National Product - if we judge the United States of America by that - that Gross National Product counts air pollution and cigarette advertising, and ambulances to clear our highways of carnage. It counts special locks for our doors and the jails for the people who break them. It counts the destruction of the redwood and the loss of our natural wonder in chaotic sprawl. It counts napalm and counts nuclear warheads and armored cars for the police to fight the riots in our cities. It counts Whitman's rifle and Speck's knife, and the television programs which glorify violence in order to sell toys to our children. Yet the gross national product does not allow for the health of our children, the quality of their education or the joy of their play. It does not include the beauty of our poetry or the strength of our marriages, the intelligence of our public debate or the integrity of our public officials. It measures neither our wit nor our courage, neither our wisdom nor our learning, neither our compassion nor our devotion to our country, it measures everything in short, except that which makes life worthwhile. And it can tell us everything about America except why we are proud that we are Americans.

私のブログの読者の方から、ブログ記事「日本の成長戦略は、なにかおかしい!?」に対して示唆に富むコメントをいただきました。コメント欄にも掲載していますが、ブログ記事で紹介します。

 村田先生、初めてコメントします。必要な成長戦略は、産業構造の変革→セーフティーネットの提供が国のコスト、そのとおりと思います。今年の6月に出た政府新成長戦略では、アジア拠点化の推進、グローバル人材の育成、高度人材の(海外からの)受入れ拡大、更にはオープンスカイ構想など、外資を呼び込み、日系企業にも日本を活動拠点としてもらえるよう(その結果としての国内雇用の増大、国内知財の蓄積など)国としての企業立地の競争力を高めることを戦略目標に掲げているようです。これに対応して、経産省からは「産業構造ビジョン2010」が公表され、少子高齢化がすすむ先進国から新興国に目を向けていかなければ持続的に成長することは困難であり、グローバル化の推進は避けて通れないと認識されています。 

 ただし、グローバル化を進めた結果、雇用や付加価値創造が国内から海外に移転してしまっては、日本企業の業績はよくなっても、国・国民としてはいい話ではないので、GNPではなくGDPを増加させるための国としての環境づくり(具体的には外資を呼込み、日系企業にも日本を活動拠点としてもらえるような様々な環境づくり)を推進すべきとしています(法人税率下げはそういうContextで提言されています)。そしてより具体的に、今までの自動車・エレクトロニクス産業頼みの成長から、インフラ関連・システム輸出、環境・エネルギー課題解決産業、医療・介護・健康・子育てサービス、文化産業立国、(ロボットなどの)先端分野の戦略5分野への産業構造の転換をすることによって、国内での雇用・付加価値創造を標榜しています。この産業構造の転換を「一本足構造から八ヶ岳構造へ」と謳っているキャッチコピーはあまりいけてませんが(笑)、その内容は示唆に富んでいると思います。この他にも、国内で付加価値を創造するための、企業のビジネスモデルの「転換」(国内消耗戦からグローバル市場を見据えた産業再編・棲み分けへ)、政府の役割の「転換」(政府主導の資源配分・産業保護から戦略分野の支援・誘致・売込合戦へ)など様々な「転換」の必要性を説いています。

 今という時代は、日本が様々な「転換」をできるかどうかの岐路に立っている大切な局面なのかもしれません。税制がこういう転換を手助けできる部分は多分にあると思います。法人税率の引下げは立地合戦の一例でしょうし、人材育成・雇用創出のための教育費の所得控除、新事業投資へのインセンティブとしての投資税額控除、支えあう社会をつくる寄付金控除の拡充などなど・・・。話はそれましたが、税制に限らず、日本がこれらの「転換」をうまくしていくための、村田先生のご意見・ご発信を楽しみにしております。

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