安易な日本企業海外進出論への反論!
8月19日に円が1ドル76円台と戦後最高値をつけました。この円高は、ヨーロッパの経済に不安が高まりドル売りが出た(カントリー・リスク)結果と考えます。このように円高が進むと、円高メリットを利用して海外で資産を活用すべきである、日本企業は海外雄飛を図るべきだという議論が幅を利かせてきます。しかし、この議論は、我が国最大の資産がヒトであり、円高で海外に生産拠点が移動するとヒトを生かす機会、雇用がなくなるという視点がないことが大問題であると考えます。むしろ外需を取り込むことで、輸出を増やし雇用機会を作りだすこと大事と考えます。
今のままのデフレ状態では、円高になるのは当然と言えます。雇用創造によるデフレ解消が異常な円高を是正する有効な手段と考えます。
補足コメント:円高になる要因は、1)日本の金利が高くなる(資金が金利の高い日本に流れ、そのため円買い・ドル売りが起きる)。2)デフレになり円の貨幣価値が上がる(購買力平価)。3)輸出が輸入に対して相対的に増えた場合、ドル債権を売って円に換える必要が生じる。4)政府が為替市場に介入する。5)ヨーロッパの経済に不安が高まりドル売りが出る(カントリー・リスク)等です。今の円高の主要要因は上記(5)であると思います。しかし、円高処方箋は、上記(2)にあると考えます。デフレを解消することが円安に通じるのです。(2)の購買力平価説の基本は、A国とB国の間で物やお金の流れが完全に自由なら、同じ商品は同じ価格となるように、為替レートは調整されるはずだという考え方です。例えば、マクドナルドは世界各国に出店し、均質な商品を供給しています。この考え方に従えば、ビッグマックの値段が米国で2ドル、日本で160円とすれば、為替レートは1ドル=80円が適性レートということになります。この例で、ビッグマックの価格が、日本で180円に値上がりすると、2ドル=180円から導かれる為替レートは90円です。デフレの解消は、円安の効果を持ちます。
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中国は労働コストが日本の10分の1、インドシナ半島では30分の1である。
韓国でさえ2分の1以下。更に、電力料、地価、その他諸々が安い。
余程に高度な高付加製品でないと、国内生産品は輸出は出来ないだろう。
国内の中小企業が得意とする日用品、衣料、食品等は海外からの輸入品が相当に安い。
国民は100円均ー店や衣料量販店、家電量販店、スーパーで安価な海外製品、逆輸入製品を購入している。
円高云々の問題でない。為替でこれらを解消するならば、1ドル360円に戻さなければ
無理だろう。米国が対中赤字で苦しむ状況に日本も近づいているだけではないのだろうか。
村田先生の「雇用創造によるデフレ解消が異常な円高を是正する有効な手段」とは正鵠を射た意見です。「我が国最大の資産がヒトであり、円高で海外に生産拠点が移動するとヒトを生かす機会、雇用がなくなる」という指摘も適切です。そこで、個別企業が安易に生産拠点を海外に移すのではなく、国内に踏みとどまり、「外需を取り込むことで、輸出を増やし雇用機会を作りだすこと」をどう実現するかが、政策課題のはずです。(もうひとつ、内需をどう増やすか?そのため、雇用形態や労働分配率をどう規制すべきかも大事な課題と思われます。)
これに相応しい税制は、以下にあるべきかを問い直す必要があるように思います。例えば、海外投資促進に繋がる税制は止めて海外投資を不利にする税制に改めることなど。
日本経団連がイコールフィッティングと称して法人税率の引き下げを要求してきましたが、世界的に見ても法人税収を落として国家財政の危機を招いている、しかも資金余剰の状況があります。
このような問題意識で、税制のあり方を考え始めていましたので、またの機会に村田先生の何時もの明快なご意見を聴かせて頂ければ幸いです。