昆虫戦争は地球を破滅に導くか?
先日、エコノミスト、同志社大学大学院教授である浜矩子氏のスピーチを聞く機会がありました。その中で浜先生が話された「昆虫戦争」は、大変興味ある話でしたので、ご紹介いたします。エコノミストである浜先生の話ですから、昆虫ウォーズのムシボーグの話ではないです。キリギリスとアリのたとえ話(夏の間、アリたちは冬の間の食料をためるために働き続け、キリギリスは歌を歌って遊び、働かない。やがて冬が来て、キリギリスは食べ物を探すが見つからず、アリたちに頼んで、食べ物を分けてもらおうとするが、「夏には歌っていたのだから、冬には踊ったらどうだ?」と断られ、キリギリスは餓死する)をテーマにした経済の話です。
『キリギリスとアリによる「昆虫戦争」は世界中で起こっています。豚と軽蔑される国々PIGS(ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン)があります。ヨーロッパでは、PIGSがキリギリスの国です。キリギリスの国は、アリの国であるドイツに援助を請うています。世界的に見ると、米国がキリギリスの国の代表であり、アリの国はドイツ、日本、中国になります。日本がアリの国かと疑問を持つでしょうが、そうなのです。日本の政府部門と民間部門を分けてみると、政府部門はキリギリスで、民間部門はアリです。その両者のプラス・マイナスを相殺すると現状は未だアリです。
米国がキリギリス、日本がアリの状況が続けば、為替は1$=¥50にまで円高になると非常にセンセーショナルな浜先生の話でした。多分、浜先生は、1$=¥50になると予言したのではないと思います。米国がキリギリスである限り、過大評価されたドルの価値の修正は避けて通れない。そうであるとアリの日本に資金は流入し、円高基調は続くのです。
日本がアリである限り、米国がキリギリスである限り、世界は永遠の暗闇に突入します。
その解決策は、容易ではありません。違った生き物に変容しない限り破綻の坂道を転げ落ちるのです。理想は、世界がアリギリスになることですが、多分、無理でしょう!変容が無理であるなら、発想の転換が必要です。自分さえ良ければOKとする「僕富論」から、君を豊かにしてあげる「君富論」への発想の転換が大事と考えます。』
浜先生の話は、歯切れよく非常に判り易かったですが、最後の結論には多少ついていけない感じがしました。想像するに・・暗い話でスピーチを終わるのは芸がないと考え、リップサービスをしたのではないか・・逆説的に言えば、それだけ、昆虫戦争の処理は困難であるということかと思います。
今年最後のブログの更新です。みなさま、良い年をお迎えください。
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今年1年ブログを読ませて頂き、勉強をさせて頂き有難うございました。
よく言われることですが、「政治屋は選挙を考える。政治家は明日のビジョンを考え・実行する。」。新年は、日本だけではなく世界的にも難しい年だと思います。多くの政治屋が政治家に変わって頂き、自らの職をかけて、ビジョンに向かって進んで欲しいと期待する所です。一方難しい年だからこそ、今までできなかった事が実現する、新しい事が実現する、新しい仕組みや技術が出現する、そんな希望へ向かうスタートの年でもあると期待をしています。新しい年が、苦しみの中にも希望の光が見える年であることを祈っています。
為替が50円になるかどうかは別として、マーケットは、円が強くなるかどうかではなく、円高になると思う人が多いかどうかにかかっており(いわゆるケインズの美人投票)、そういう人が多くいる限りにおいては、今の円高がファンでメンタルズを反映していないと思っても、円高がまだ続くと思うえば、いっそうの円高が続くわけで、リーマンショック・欧州危機があったとはいえ、一ドル110円くらいの水準を当たり前と思っていた3年前の心理が77円の水準を「長期的にはまだ円高が進む」と思い込む心理に変わるところが、経済の怖いところかなと思いました(特に株価がPBR1を割っている状況には閉口です)。経済も結局は人と人とのつながりの話ですからね。今年もいろいろとありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
今月半ば、中央公論新春号”財政恐慌の今、選挙があるという不幸”浜教授の執筆で、”TPPの見る視点”(賛成反対いずれにしても)や”長期的には「円高50円」に向かう”説見てユニークで面白い人だなあとおもっていました。せめて60円ぐらい???と思いますが、想定外ということもありますから・・・同感するところが多くあります。