2012年11月アーカイブ

財政の"禁じ手"について

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 自民党の安倍晋三総裁が主張している「インフレターゲット(物価目標)の設定」と「無制限の金融緩和」、更に「日銀による建設国債の直接引き受け」は、財政の“禁じ手”と考えられます。その理由は、実質的に紙幣の発行権限が日銀から政府に移るからです。その意味は、発行権限が政治家(あるいは単なる政治屋)に移るから“禁じ手”と考えます。

 明治10年に起きた西南の役(1877年)まで、明治政府が紙幣の発行をしていました。西南の役の戦費調達のため、明治政府は紙幣の乱発をしました。その結果、紙幣はだぶつき⇒紙幣価値の下落⇒インフレの進行⇒物価の高騰をもたらしました。その反省から、明治政府は、西欧諸国の中央銀行の役割をまねて紙幣の発行権限を政府から日銀に移したのです。

 今の経済情勢から1%から2%のインフレが必要であることに異論をはさみませんが、政治家にそのコントロールができるかに大いなる懸念があります。「無制限の金融緩和」、「日銀による建設国債の直接引き受け」というインフレアクセルを踏むと、必ず、経済は暴走し始めます。暴走し始めた時、ブレーキを踏む必要があります。人の嫌がることを進んで行う政治家がいるとは思えません。ですから、日銀の役割を過少評価してはいけないと考えます。

 今、話題になっている金融政策は、非伝統的金融政策で、対症療法的政策と考えます。それは、ゼロ金利の下では。(伝統的)金融政策が機能しないから、(伝統的)金融政策を採用することが出来ないのです。(伝統的)金融政策とは、中央銀行が利子率を変えることによって、世の中(市中)に出回るお金の量(通貨供給量)を調節して、物価の安定をはかり、経済の動きを調整する政策です。 

非伝統的金融政策とは、中央銀行が金融調節を行うために市中から買い入れる資産の範囲や規模を、従来以上に拡充させる政策です。日銀の採っている量的緩和政策は、非伝統的金融政策のひとつです。自民党の安倍晋三総裁が主張している「無制限の金融緩和」、「日銀による建設国債の直接引き受け」は、かなり過激な非伝統的金融政策と考えます。

読者のみなさまへ

日経ビジネス(2012.11.12号)時事深層【出血止まらぬパナ・シャープ】は、削除させていただきました。

 

大機小機「国家戦略大転換の時」

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2012年11月1日の日経朝刊のコラムからです。クリックすると拡大された記事大機小機「国家戦略大転換の時」20121101大機小機「国家戦略大転換の時」.jpgが読めます。

 

 

 

 

 

 

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