2013年4月アーカイブ

「みちのく未来基金」の活動

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 三田評論4月号に長沼孝義氏の投稿記事【震災遺児の夢と希望そして未来のために「みちのく未来基金」の活動】(クリックすると当該記事が読めます)がありました。興味ある内容でしたので紹介させていただきます。

 

 個人的に興味を引いた点を箇条書きにして述べます。

 

  • 「みちのく未来基金」は、子供達のひとりひとりの夢を実現させるため、あえて「不平等な支援」をすることとしたそうです。その意味は、手続きをシンプルにすることと理解しました。その結果、子供たちが持つ看護師になる、薬剤師になる、理容師になる、調理師になるという様々な夢の実現に役立っているとのことです。
  • 「みちのく未来基金」を受けて進学した子供達の多くは、進学先で震災の被害者であることや、親を亡くしたことをほとんど語っていないことでした。つまり、金銭的支援は、子供達の必要とするもののほんの一部であることを「みちのく未来基金」を運営することで知ったそうです。「聴いてあげる」ことの大切さを痛感し、そのことに多くの時間を割くようになってきているとのことです。
  • 東日本大震災のことが日々風化していますが、高校卒業後の専門学校、大学等へ進学するための支援が必要となる遺児がこれから25年間に1,700人いると言われています。これら遺児が持つ様々な夢の実現を手助けすることが被災地の明るい未来につながるとしています。
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 長沼氏は、遺児の夢の実現の一助となればと活動している「みちのく未来基金」のことを多くの人に知って欲しいと述べて投稿記事を終わっております。是非、長沼氏の投稿記事をご一読ください。

2012年11月21日より千倉書房HPにて『富裕層の増税』という連載記事を書いております。当ブログにおいてもその内容を紹介します。

 

個人が所有する国債について

 

 家計金融資産の数値は、日本銀行が四半期毎に発表する「資金循環勘定」に記載されています。2012年9月末(速報)によれば、家計金融資産は1,510兆円です。


現金・預金            840兆円
債券                 33
投資信託              58
株式・出資金           87
保険・年金準備金   426
その他                   66
合計                  1,510兆円

 上記の内、債券33兆円が主に個人が所有する国債です。それでは、巷間で言われている国債約1,000兆円は誰が所有しているのでしょうか?実は、国債のかなり部分は、個人が間接的に所有しているのです。そのカラクリを説明します。

 個人は、銀行に840兆円の預金があります。また、保険会社に保険料を426兆円払い込んでいます。銀行は預かったおカネを運用に回します。運用とは企業への貸付、住宅ローンの貸付、そして、今は国債の買付を意味します。保険会社は預かった保険料を運用に回します。企業への貸付、国債の買付が保険会社の主たる運用になります。その結果、個人の預金と保険料は、運用において、かなりの部分が国債になっています。金融機関の資金循環勘定から推測すると家計金融資産1,510兆円の内、500兆円から550兆円は国債なのです。銀行は企業への貸付、住宅ローンの貸付が本来の業務のはずですが、銀行の総資産のわずか42%しか本来の業務に使われていません。国債の残高が銀行の総資産の30%近くあること自体が異常と考えます。

 個人は500兆円から550兆円という多額の国債をかかえているのですから、財政危機になり国債の価格が下落した時、本来の貸付業務が半分以下であるという金融機関の歪んだ資産運用のマイナスの影響が国民生活に多大な影響を与えることは容易く推測できると思います。残りの国債の大部分は、日本企業、政府機関によって所有されています。

 家計金融資産が1,510兆円あるから、未だ、国債を500兆円ぐらい容易に発行できるという議論がありますが、そう簡単ではないと思います。上述の如く現金・預金840兆円は銀行にあり、保険・年金準備金426兆円は保険会社等にあります。彼等が資産運用のポートフォリオを変更しない限り、国債の買い増しは出来ません。また、資産運用のポートフォリオを変更して国債を買い増しすれば、金融機関の歪んだ資産運用を更に悪化させることになると思います。

2012年11月21日より千倉書房HPにて『富裕層の増税』という連載記事を書いております。当ブログにおいてもその内容を紹介します。

 

老人単独世帯数の著しい増加現象について

 

 直近の国勢調査(2010年)によると単独世帯数は1,678万世帯です。この単独世帯の数は、この25年間に約890万所帯も増えています。人口減少社会での単独世帯数の著しい増加現象は、老人単独世帯数が増加している社会現象の現れではないかと思います。老人単独世帯数の著しい増加は、金持ち老人単独世帯の増加と貧乏老人単独世帯数の増加という悩ましい社会現象をもたらします。

 富裕層の増税の番外編として、ここでは資産家老人単独世帯の問題点を取り上げたいと思います。

 次の例は、案外有りうるのではないかと考えます。ご主人あるいは両親から受け継いだ遺産がある後期高齢者のご婦人が「自分はひとり住まいで、身寄りもないので自分が亡くなったら、遺産を全て、東日本大震災の遺児の生活を助けるべく活動しているNPO法人に寄付したい」という希望を持っているケースです。

 しかし、この希望を叶えることが案外難しいのです。日本人は、一般的に遺言書を作成することに強い拒否反応を示します。自分の気持ちを身近にいる人に伝える傾向があります。そこで、介護に来てくれる人に口頭で「自分が亡くなったら、遺産全て○○NPO法人に寄付して欲しい」と何回も伝えることで安心します。しかし、彼女が旅立った時、その資産は当該NPO法人に行かないのです。その理由は、相続財産の取扱いです。身寄りのない人が死んだ場合、相続財産は特別縁故者に与えられ、特別縁故者も居ない場合は国庫に帰属することになります。特別縁故者とは、被相続人と(1)生計を同じくしていた者、(2)被相続人の療養看護に努めた者、(3)その他被相続人と特別の縁故があった者を言います。内縁の妻や夫、事実上の養子がその例です。残念ながらお金が絡むと、人は豹変します。その方は特別縁故者と名乗り出る可能性が大です。

 上記例でのご婦人の希望を叶えるためには、遺言書が必要です。しかし、生きている時に死んだことの手配をすることに強い拒否反応を示す多くの日本人に遺言書を書かすことは至難の業です。残念ながら、身寄りのない老人の遺産は、時として心無い特別縁故者にいくか、財政赤字の日本政府にいくかです。

 遺言書は、お金持ちが作成する必要なもので、普通の人が作るものではないと考えている人が多いと思いますが、それは大きな誤解です。葬儀の方法や埋葬地、墓地の管理・供養などは、旅立つ者にとって大事なことです。そのような気持ちを書いておくことは、お金以上の価値があります。貧富に関係なく誰でも自分が残したいものがあるはずです。それを元気な時に遺言として残して欲しいです。

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