2013年6月アーカイブ

小泉構造改革の再評価 その1

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 「小泉構造改革が格差をつくった」という点に関して、劣化するマスコミ報道が大きく影響しています。現東京都知事の猪瀬直樹氏の2009年06月30日の記事から抜粋して引用いたします。

【バブル崩壊後に貧困率(発展途上国の絶対的貧困とは違う概念)が増えたのは、不況とグローバル化が原因だ。不況で1995年から2000年くらいのあいだに就職氷河期を体験した世代が、正社員に比べて賃金の安い非正規労働者になった。一方で、経済がグローバル化して、中国などの安い賃金に引っ張られる形で、国内の単純労働者の賃金が低下した。

だからこそ、フラット化する世界経済の流れに対応するために、構造改革が必要とされたのである。民営化や規制緩和によって、産業構造を転換していかなければ、貧困問題はますます悪化する。 

しかし、いつのまにか「小泉改革が格差をつくった」ということに、すり替わってしまった。そうなった原因は、2006年1月から始まった朝日新聞の「格差社会」キャンペーンだと僕は見ている。 

2006年1月3日付の朝日新聞は、1面トップで「就学援助4年で4割増」「東京・大阪4人に1人」の大見出しを打った。「就学援助」とは、貧しい家庭に対して、公立小中学校の給食費や修学旅行費などを免除する制度である。東京都足立区では、42.5%が就学援助を受けているとして、朝日新聞は格差拡大の証明のように報じた。 

朝日新聞は、小泉首相の在任期間に就学援助が急増したから格差社会だ、という論旨を展開している。これは、バブル崩壊後の流れを無視しているだけでなく、就学援助の実態も見ていない、実に短絡的な記事である。

―中略―

朝日新聞の強引な「格差社会」キャンペーンは続いていった。「授業料減免11人に1人」(3月23日)、「治療代未払い急増」(4月9日)と1面トップに見出しをうつ記事だけでなく、「分裂にっぽん」という企画記事の連載が続いた」

―中略―

「分裂にっぽん」の内容は、「進学校にいけるかどうか」という話が、「ご飯が食べられるかどうか」にすり替わっている。ふつうならば、受験狂想曲として描くべき素材を、「格差社会」キャンペーンに無理に利用しているからおかしな記事になってしまったのである。】

 

 更に、歪曲報道を増幅させる全国紙、TVの追っかけ体質が、「小泉改革が格差をつくった」というステレオタイプの思い込みの定着に大いに役だっています。

 

 「群盲、象をなでる」の類の報道が多すぎます。「象は柱みたいなもの」と盲目の子供が言ったことは正しいのですが、象がどんな動物であるかという点は捉えていません。前述の朝日新聞の報道も「群盲、象をなでる」の類の報道です。嘘を報道している訳ではないですが、「小泉改革が格差をつくった」という大局的問題の報道としては間違っていると考えます。

 

 アベノミクスで「失われた20年」から決別できるかもしれませんが、大新聞、TV局を取り潰すぐらいの荒療治をしないとマスコミの劣化は止まらないのかもしれません。

 2012年12月に誕生した安倍晋三内閣はアベノミクス(そのネーミングは、1980年代・米レーガン政権の自由主義経済政策のレーガノミクスにちなむ造語)は、「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」という「3本の矢」で、長期のデフレを脱却し、名目経済成長率3%を目指しています。アベノミクスで、安倍政権は、ロケットスタートを切りました。バブルが弾けた1990年から始まった「失われた20年」から決別できるような気がして嬉しい限りです。 

 

 小泉さんの後継者として指名され、一度は挫折しましたが、よみがえって復活した安倍さんの活躍を見て、安倍さんは真の小泉さんの後継者になるのではないかとの肌感覚を覚えます。最近発表されたアベノミクスの「成長戦略」は、夏の参議院選挙を考慮して構造改革を先送りした内容になっていますが、精神的には小泉構造改革路線を継承すると推定します。ご存知のように小泉政権は、2001年から2006年まで続いた「失われた20年」の中での唯一の長期政権でした。現在、多くの人が小泉構造改革路線にたいして必ずしも賛成していません。それは、「小泉構造改革が格差をつくった」というステレオタイプの評価が大きく影響しています。「小泉構造改革が格差をつくった」という部分にハイライトを当てた連載記事を書きます。 

 

 「小泉構造改革が格差をつくった」という点に関して、劣化するマスコミ報道が大きく影響しています。連載記事「小泉構造改革の再評価」のプロローグとして劣化するマスコミ報道について取り上げます。 

 

 週刊ダイヤモンド(2013/5/11号)の櫻井よしこ氏の記事「縦横無尽」から引用いたします。   

【靖国神社に政治家が詣でることを伝える日本のメディアの報道ぶりは少々常軌を逸しているのではないか。安倍政権の閣僚が参拝したこと、また4月23日朝、多くの国会議員が参拝したことを、各メディアはさも重大な誤りであるかのように報じ続ける。国会議員を含む日本国民はむしろ靖国神社に詣でるべきであるが、そのような見方は提示せず、専ら中国や韓国が強く反発すると伝えるばかりだ。

―中略―

「朝日新聞」の4月24日の社説に至っては噴飯ものだ。「日本はいったい、何を考えているのか」と書いた社説子と「朝日」に逆に問いたい。「朝日はいったい、何を考えているのか」と。

同社説は「歴史問題をめぐる政治家らの思慮を欠く対応は、私たち日本自身の国益を損ねている」と書いたが、歴史問題、とりわけ慰安婦問題で国益を損ねる報道をしてきたのは他ならぬ「朝日」ではなかったのだろうか。

「何よりも肝要なのは、中国、韓国との信頼関係づくりに歩を進めることだ」とも書いているが、それは歴史問題において中韓の主張に従えと言っているように読める。

それほど日中韓の摩擦を恐れるのであれば、まず中韓両国の歴史捏造を正し、摩擦の原因を取り除く努力をこそしてほしい。メディアの責任として全体像を伝えることを心がけてはどうか。何よりもまず、「朝日」自体が、大メディアとして、事実に誠実に向き合うことが求められているのだ。】 

 

 私見ですが、日本のマスコミの劣化に目を覆いたくなります。残念ながら、多くの日本人は、櫻井よしこ氏のコメントを知るチャンスがありません。

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