2014年7月アーカイブ

「ふるさと納税」は、ふるさとに税金を納める制度ではないです。その本質は、自分の住んでいない地域の自治体に寄附をした時、ある一定の限度を超えない限り寄附金相当額の住民税が減額される制度です。

「ふるさと納税」制度の概要は次の通りです。

  • 都道府県・市区町村に対する寄附金のうち、2,000円を超える部分について、個人住民税所得割の概ね1割を上限に、原則として、所得税と合わせて全額が控除されます。
  • 寄附対象は出身地に限らず、全国すべての市区町村・都道府県に寄附した場合でも控除の対象となります。
  • 寄附した自治体から、寄附後に証明書が送られてきます。この証明書を添付して確定申告をしてください。この手続きによって住民税等が減額されます。

個人住民税所得割の概ね1割とは、課税所得に住民税の税率(10%)を乗じた金額が個人住民税所得割の金額になります。その概ね1割(10~14%)が上限になります。給与収入700万円で夫婦子供2人のサラリーマンの課税所得は、給与所得控除、社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除等を差し引くと290万円前後になります。彼の個人住民税所得割は住民税の税率(10%)を乗じた29万円です。その概ね1割、30,000円前後が住民税の減額限度となります。

このサラリーマンが30,000円の寄附を自分の故郷にした場合、寄附金のうち、2,000円を超える部分は28,000円です。この28,000円は、減額限度の30,000円より少ない金額ですので、28,000円の住民税が減額できます。

ふるさと納税制度がない時に30,000円の寄附をした時の、彼の実質負担は30,000円でしたが、ふるさと納税制度を利用した時の、彼の実質負担は2,000円(寄附金額30,000円-住民税の減額28,000円)と僅かです。

更に、ふるさと納税制の魅力的な部分は、多くの自治体がふるさと納税を利用した人に特産品を贈っていることです。30,000円の寄附をして、時価5,000円の特産品をもらえば収支はプラスになります。つまり、特産品がタダでもらえるのです。

全国すべての市区町村・都道府県にふるさと納税制度で寄附した場合は控除の対象となるのですから、特産品のタダ狙いもふるさと納税制度のおいしい部分です。「ふるさとチョイス」 というサイトから各地の魅力ある特産品を選ぶことが出来ます。「ふるさと納税」のおいしいところ徹底分析してください。

今こそ法人減税!

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日本経済新聞のコラム記事:TAXウォーズで「法人税減税」が6月に取り上げられました。

当該記事を添付します (クリックすると当該記事が読めます)

その記事を要約すると以下の通りです。

  • 優良企業は、法人税が高い国から低い国に本社を移すことに関心を示している。
  • 全体の1%に満たない資本金1億円超の大企業が法人税収の65%を支えている。
  • 企業の70%は赤字企業で法人税を支払っていない。赤字法人の取扱いが問題である。
  • ドイツは2008年に法人税率を10%下げたが、課税範囲を拡大して減収分の8割以上を取り戻した。日本は、租税特別措置法により特定企業の課税範囲が狭まられて優遇されている。法人減税と同時に不公平な税制にメスを入れる必要がある。
  • 法人減税を支持する一方、特定業界を優遇する「租税特別措置」は見直さないで欲しいが経団連の姿勢である。

法人減税がアベノミクスの成長戦略の重要は柱として機能するためには、法人税にも競争原理を導入すること、つまり、特定企業を優遇する「租税特別措置」は出来るだけ廃止ことが必要と考えます。また、法人税を払っていない赤字企業の中には、生き残ってはいけない赤字企業があります。赤字でも課税する外形標準課税制度を法人税でも導入することは、企業活性化に資すると考えます。

大豆の自給率を上げよう!

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TPP交渉はなかなかまとまりません。問題となっている聖域5品目の関税率は下記の通りです。

しかし、日本人の食生活には欠かすことのできない大豆は、TPPで問題となっていません。「日本人の伝統的食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本の食文化の根幹をなす食材は、味噌、醤油、豆腐、納豆です。それらは、すべて大豆加工品です。日本人にとって豚肉以上に大事な食材であることは自明であると考えます。

TPPで大豆が問題にならないのは、関税が0%であるからです。しかし、大豆の自給率は6%前後です。一方、米の関税は778%で自給率はほぼ100%を達成しています。高い関税を課すこと(国民に負担を強いること)で、米の自給率ほぼ100%が達成されています。

TPPを契機として、自給率にも目を向けるべきと考えます。グローバル化の世界の中である食品の自給率が100%である必要はないと考えます。しかし、食の安全保障の観点からある程度高い自給率は必要となるでしょう。そう考えると、大豆の自給率6%、米の自給率がほぼ100%の現状は異常です。大豆の自給率はもっと高くして、米の自給率は50%ぐらいまで下げる方がベターと考えます。

私見ですが、大豆の自給率を30%ぐらいまで上げることは可能と考えます。

平成24年度の大豆の消費量は3,037千トン(100%)でした。その内の932千トン(30.6%)が食品用で、残りは油糧用とその他(飼料、種子等)でした。食品用大豆932千トンの内、輸入品は703千トンで、国産はわずか229千トンでした。食品用大豆932千トンすべてを国内で生産すれば、自給率30%が達成できます。そして、食品用大豆が国産であれば、食の安心・安全は担保出来ます。また、環境の変化もあります。大豆の国内生産価格は、だんだん輸入品(遺伝子組み換えしていない大豆、つまりnon-GMO大豆の価格)に対抗できるようになっています。米国の農家は、手間のかかるnon-GMO大豆の生産を避ける傾向があるそうです(米国の大豆生産量の93%超が遺伝子組み換えした大豆だそうです)。ですから、国産品のコストを10%とか20%下げれば価格競争力は生まれます。

そのための考えられる施策は、次の通りです。

  • 消費者のニーズにあった大豆の品種改良
  • 休耕田に作付けをする
  • 田作の場合は湿害防止が必要となるので、耕うん播種技術の更なる改良
  • 農業法人などによる生産の大規模化
  • 大豆の流通経路の短縮化(現在は、国産大豆の内、80%近くはJA 等を通じて販売されている)

上記施策を遂行するには、国レベルでの戦略が必要となります。TPPを契機にして戦略的食糧自給率の議論の俎上にのせるべきと考えます。

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