大豆の自給率を上げよう!

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TPP交渉はなかなかまとまりません。問題となっている聖域5品目の関税率は下記の通りです。

しかし、日本人の食生活には欠かすことのできない大豆は、TPPで問題となっていません。「日本人の伝統的食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本の食文化の根幹をなす食材は、味噌、醤油、豆腐、納豆です。それらは、すべて大豆加工品です。日本人にとって豚肉以上に大事な食材であることは自明であると考えます。

TPPで大豆が問題にならないのは、関税が0%であるからです。しかし、大豆の自給率は6%前後です。一方、米の関税は778%で自給率はほぼ100%を達成しています。高い関税を課すこと(国民に負担を強いること)で、米の自給率ほぼ100%が達成されています。

TPPを契機として、自給率にも目を向けるべきと考えます。グローバル化の世界の中である食品の自給率が100%である必要はないと考えます。しかし、食の安全保障の観点からある程度高い自給率は必要となるでしょう。そう考えると、大豆の自給率6%、米の自給率がほぼ100%の現状は異常です。大豆の自給率はもっと高くして、米の自給率は50%ぐらいまで下げる方がベターと考えます。

私見ですが、大豆の自給率を30%ぐらいまで上げることは可能と考えます。

平成24年度の大豆の消費量は3,037千トン(100%)でした。その内の932千トン(30.6%)が食品用で、残りは油糧用とその他(飼料、種子等)でした。食品用大豆932千トンの内、輸入品は703千トンで、国産はわずか229千トンでした。食品用大豆932千トンすべてを国内で生産すれば、自給率30%が達成できます。そして、食品用大豆が国産であれば、食の安心・安全は担保出来ます。また、環境の変化もあります。大豆の国内生産価格は、だんだん輸入品(遺伝子組み換えしていない大豆、つまりnon-GMO大豆の価格)に対抗できるようになっています。米国の農家は、手間のかかるnon-GMO大豆の生産を避ける傾向があるそうです(米国の大豆生産量の93%超が遺伝子組み換えした大豆だそうです)。ですから、国産品のコストを10%とか20%下げれば価格競争力は生まれます。

そのための考えられる施策は、次の通りです。

  • 消費者のニーズにあった大豆の品種改良
  • 休耕田に作付けをする
  • 田作の場合は湿害防止が必要となるので、耕うん播種技術の更なる改良
  • 農業法人などによる生産の大規模化
  • 大豆の流通経路の短縮化(現在は、国産大豆の内、80%近くはJA 等を通じて販売されている)

上記施策を遂行するには、国レベルでの戦略が必要となります。TPPを契機にして戦略的食糧自給率の議論の俎上にのせるべきと考えます。

コメント(1)

村田さんのご意見は傾聴に値します。TPP交渉に関する画一的な、何も掘り下げない貧困なマスコミ報道の中にあってこのような事実関係を知る人はどれだけいるのでしょうか。
食料の自給率改善は自給率のみならず安全性の確保も含めて我が国の大きな課題と認識しております。TPPは農産物の問題ばかりではありませんが各論での課題が十分開示されているとは言えないのが現状です。

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