50年後の日本の姿

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国立社会保障・人口問題研究所による50年後の日本の推計人口によりますと、現在の総人口1億2,806万人が2060年には(中位仮定の場合)8,674万人になります。つまり、4,000万人余り人口が減ります。常識的には、年少人口、生産年齢人口、老年人口、それぞれの人口が同じ傾向の逓減傾向を示すと考えがちです。が、現実は生産年齢人口が半減します。ビックリすることは、老年人口は減らないのです。

経済成長と生産年齢人口の増加は、正の相関関係があるといわれています。つまり、生産年齢人口の増加は、経済成長をもたらすという関係です。日本は、これから生産年齢人口減少時代に入ります。生産年齢人口の減少は、経済のマイナス成長をもたらすとの前提を置いた場合、上記表から50年後の日本のGDPは今の半分近くになってしまうことが推測されます。

アベノミクスの3つの矢が放たれた後、毎年2%の経済成長が達成可能となると安倍首相は言っています。多分、短期的にはそうなると思いますし、そうなって欲しいと期待しています。しかし、50年間という時間軸で考えると、日本の近未来の姿は大きく異なります。一人当たりGDPが成長しない限り、生産年齢人口が減少するため日本全体のGDPはマイナス成長を続けます。そうであれば、50年後の日本のGDPは今の半分近くになってしまうという上記議論に現実味が増してきます。

しかし、人の英知を信じる私は、(1)50年後の日本のGDPは今の半分にはならないと考えています。また、(2)日本がGDP世界第3位でなくなることが、日本を不幸せにしないと考えています。「おカネは大事です!しかし、幸せはおカネで買えない!」からです。

(1)50年後の日本のGDPは今の半分にはならない

その解決策は、以下の通りです。

  • 一人当たりGDPを成長させる施策を実行すること
  • 健康である限り、生涯現役をつらぬくこと

人のスキルアップとイノベーションによって、生産性は改善します。ですから、一人当たりGDPを成長させる施策は、教育に力を入れて人的資本を向上させることと、研究開発に多くの資金と人材を継続的に投入することにあります。しかし、これら施策は、短期的成果を生み出しません。しかし、従来型の公共事業による景気回復策より経済底上げ効果は大きいと考えます。

65歳以上の老年人口に属する多くの日本人は元気です。元気な70歳、75歳の人は働くことです。老年人口の一部を生産年齢人口へシフトさせることで、労働力の減少のマイナスの効果を減じることができます。

(2)日本がGDP世界第3位でなくなることが、日本を不幸せにしない

多くの人々は、社会生活のグローバル的、漸進的な進歩には気がつかず、現状は昔のままか、それとも悪化していると思い込んでいます。本当は、生きるに必要な安心安全は確保されています。ここに米国の評論家スティーブン・ジョンソン氏のコメントを引用します。大変、示唆に富んだコメントです。

【スティーブン・ジョンソンは、まずこの20年の米国社会の生活の質が、「政府」と「市場」の両面での数々の失敗にもかかわらず、悪化しているどころかさまざまな面で大きく改善しているというデータの提示から始まっている。

たとえば、商用航空機の事故による死者の数は減少する一方で、2007年から8年にかけての二年間では一人の死者も出ていない。2009年1月の「ハドソン川の奇跡」でも、鳥の大群に衝突して川に不時着した1549便の乗員乗客全員が、大きな怪我もなく無事に救出された。ジョンソンによれば、これは決して偶然でも奇跡でもなく、多年にわたって多くの人々や官民の組織が協力して、持ち場、持ち場で少しずつ進めてきた、安全で快適な運行への努力と、その過程で積み重ねられた「集合知」の賜物なのである。- 中略 -

さらに驚くべき事は、こうした改善--とりわけ生活水準や幼児死亡率、平均余命などの改善--が、米国のような先進国だけではなく、多くの途上国においてさらに劇的な形で進展しているところにある。しかし多くの人々は、こうした漸進的な進歩には気がつかず、現状は昔のままか、それとも悪化していると思い込んでいる。その理由としてジョンソンは、メディアがその種の進歩には無関心で、悪化の側面にばかり注意を払いがちなことや、政治の舞台での「リベラル」の凋落の後に台頭してきた自称進歩主義者たちが極端な悲観論を唱えがちなこと、政府の広報予算は進歩の実績を告知するためにはほとんど使われていないこと、などを挙げている。(引用:ハフィントンポスト日本版)】

「おカネは大事です!しかし、幸せはおカネで買えない!」ということをもう少し共有する必要があると切に感じています。誤解して欲しくないことは、「日本が貧乏になれ!」と言っている訳ではないです。言いたいことは、GDP世界第3位であること、つまり金持ちであることが必ずしも幸せになるための必要十分条件ではないことです。ジョンソン氏が示唆する如く、案外、幸せになるための必要十分条件は満たされているのかもしれません。

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個人の幸せは、物的面での達成があり、それは持ち家があり、無借金で、厚生年金の確保と家族のそこそこの生活安定などがあります。

精神面での幸せは、個人差がありますが、一日中何もすることがなくてただテレビ
ばかり見てビールを飲んでいる人ではなく、健康で、何かすることのある人ーー社会的に貢献する何かです。うちの近くに神社があります。そこに町内の人でボランテイアとして、落ち葉などの掃除をして、木や花を植える人、境内に居ついたネコの世話をする人、
犯罪が起こらないように、パトロールをする人などがいます。誰も強制されてはいません。それぞれの人はそれで幸せだと思います。

私たちは金持ちではなくても何とか生活でき、安全であり世の中とつながりがあればそれで幸せではないでしょうか。それ以上はよくわかりません。

平野より

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