日経記事「貴族になりたい 放棄地でも評価額134分の1」税金考(2)について

| コメント(0)

日経記事2015/06/03「貴族になりたい 放棄地でも評価額134分の1」税金考2 に対するコメントをいたします。(クリックすると当該記事が読めます)

この記事では、全国40万ヘクタールと滋賀県の面積に匹敵する耕作放棄地があると指摘しています。耕作放棄している農家の多くは、「じいちゃん、ばあちゃん、かあちゃん」による三ちゃん農業の農家であったと思われます。放置しておく理由は、農地としての地目で登録されていれば、たとえ耕作放棄地であっても「固定資産税が安いから」です。耕作放棄地の所有者の多くは高齢者であると想定されます。彼等は、土地はいつか値上がりするという信仰に近い考えを持っていると思われます。バブルの時の狂騒時価の高騰が忘れられないのかもしれないです。

しかし、少子高齢化社会では、一部の地域を除いて土地の値上がりは見込めません。耕作放棄地の内、他の使途に転用可能な土地は僅かです。特に都市部以外の耕作放棄地をただ所有することは、たとえ税金が安くても自分の首を絞めているような行為です。このような耕作放棄地の未来は、生産性の高い農業と共生することにあると考えます。生産性の高い農業を目指すのであれば、人、物、カネが必要です。特に遺伝子組み換えをしていない交配種(F1種子)の確保がなくては、土地があっても生産性の高い農業を営むことは出来ません。

人、物、カネを確保するための解決策は、法人形態の農業にあると思います。

山梨県のHP http://www.pref.yamanashi.jp/index.html から法人形態の農業の例を引用します。

1. 北杜農場(参入した企業:イオンアグリ創造株式会社)

「耕作放棄地を活用した企業の農業参入推進事業(緊急雇用)」により、県農業振興公社が解消した耕作放棄地を借り受け。所在地:北杜市明野町小笠原

開場:平成25年4月

面積:13.8ha(約42,000坪)

作目:キャベツ、レタス、小松菜、等

就業人数:社員2名、現地雇用約20名

2. 山梨北杜生産センター(参入した企業:株式会社村上農園)

北杜市明野町上手(永井原生産団地)

...H18年より「県営畑地帯総合整備事業明野地区」にて、生産団地14.7haを一体的に整備。

所在地:北杜市明野町上手(永井原生産団地)

面積:敷地面積5.6ha(約17,000坪)

作目:水耕栽培の豆苗、スプラウトほか

就業人数:社員4名、現地雇用約50名

3. 有限会社アグリマインド(参入した企業:株式会社田丸)

カゴメが技術指導、販売提携を行ない、環境制御型温室で高品質多収のトマト生産を行なう。

所在地:北杜市明野町上手(永井原生産団地)

...H18年より「県営畑地帯総合整備事業明野地区」にて、生産団地14.7haを一体的に整備。

面積:敷地面積3.0ha(約9,000坪)

作目:水耕栽培の高品質多収トマト

就業人数:社員6名、現地雇用30~40名

昨年、山梨北杜生産センターと有限会社アグリマインドを訪問する機会がありました。広大な土地に、近代的設備を備えた農業にビックリしました。この広大な土地は、農業法人が所有するのではなく、農家から借り受けた土地です。農業法人は、借り受けた農地に近代的温室を建てて、高品質・高付加価値の農作物の生産をしています。

山梨北杜生産センターと有限会社アグリマインドのような農業の大規模化は、農地借り上げのために行政が汗をかくことと、やる気のある農業経営者にチャンスを与えることで可能となると考えます。その結果として耕作放棄地の減少にもなると考えます。

コメントする

アーカイブ

Powered by Movable Type 6.0.3