日経記事【「クロヨン」再燃、遠のく公平】税金考(3)について

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この記事では、自営業者が節税策として法人をつくる「法人成り」の大ブームが起きていると指摘しています。法人成りとは、個人事業者が手続きを行い、株式会社有限会社などの法人に成り代わることです。

法人成りのメリットは、個人事業形態より節税が図れる場合が多いことです。サラリーマンは給与所得控除が所得の計算上控除できますが、必要経費を損金にすることは基本的に認められないです。しかし、法人成りした自営業者は、給与所得控除と共に必要経費を会社の費用にすることが出来る点が大きいです。

法人成りのメリットについて、インターネットを検索していましたら、藤岡昇氏(税理士)と藤岡衣里子氏(社会保険労務士)のHP「ふじっくす」http://www.fujix.gr.jp/index.html で簡潔にまとめられていましたので、一部抜粋して引用させてもらいます。

* サラリーマンと同様に給与所得控除がとれること:

利益に対して課せられる税金は、会社(法人)だと法人税、個人だと所得税という税法に従って、次のように計算されます。

① 売上-費用=利益
② 利益×税率=税金

では実際に、個人事業とサラリーマン(会社の社長)を比較して検討してみます。個人事業もサラリーマンも共に個人が得た利益ですから、所得税法により計算します。

個人事業の場合、売上(仮に3000万円とします)をあげるためには、商品を仕入れたり、宣伝をしたり、お店を借りたりと、様々な費用(仮に2200万円とします)が発生します。この売上と費用の差額が利益です。
給与所得者(サラリーマン)の場合はどうでしょうか?会社からの給与が800万円であったとします。この給与を得るために、サラリーマンも背広を買ったり、靴を買ったり、自己啓発の通信教育を受講したりと、様々な費用がかかります。
サラリーマンも個人事業者と同じように、800万円から背広や靴などの費用を差引いたものが利益となるのでしょうか?実はサラリーマンの場合、実際に背広などに要した金額ではなく、給与の金額に応じて発生したと「みなされる」費用を一定の算式により自動的に計算することになっています。ちなみに、800万円の場合だと、200万円が費用とみなされます。この200万円のサラリーマンとしての費用を給与所得控除といいます。サラリーマンの費用は、実際に要した金額ではなく、みなし金額が費用となるのです。

さて、ここからが本題です。「個人事業を法人成りして会社設立をし、自分の会社から社長として給料をもらう」という形にした場合、どうなるでしょうか?個人事業から法人に形態を変更しただけですから、売上3000万円と費用2200万円はもちろん変わりません。ここで、法人の利益3000-2200=800万円を自分に対する給与(法人の費用となります)として支払ったとします。法人の利益は0円、個人としての利益は、前述の給与所得控除が適用されて、800-200=600万円となります。

つまり、個人事業を法人成りするだけで、利益を200万円も圧縮することができるのです。800万円に対する税金は約188万円ですが、600万円であれば126万円です。この差はなんと62万円にもなるので、とても看過できる金額ではありません。この給与所得控除の方法を使っての利益圧縮が、法人成りのメリットの中でも筆頭にあげられます。

* 退職所得の優遇措置が得られること:

退職金は普通の給与と違って、税制上の手厚い優遇があります。同じ2000万円の支払を受けても、給与であれば、税金は約700万円にもなりますが、退職金として受取るとなると、税金はわずか39万円(勤続30年の場合)にしかなりません。

残念ながら、個人事業者の場合、このお得な退職金の適用はありません。自分で自分に退職金を支払うという考え方が税法上ないからです。さらに、事業専従者として働いている奥様や子供にも退職金を支払うことは出来ません。

しかし、法人成りして会社を設立していれば、これが可能となります。法人から社員である自分や奥様や子供に対して退職金が支払われるという形になるからです。

* 法人成りすることのデメリット:

それは業種や従業員数に関わらず、労働保険(労災保険・雇用保険)や社会保険(健康保険・厚生年金保険)の強制適用事業となり、保険関係成立届の提出などの面倒な手続きや経費がかさみます。

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