小説「天下人の茶」を読んで

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ブログ記事の番外編として、杜 祐祠さんの最近の京都旅行のコラム記事(3回)を掲載しました。今回は、杜さんから時代小説「天下人の茶」(著:伊東潤)の書評が届きましたのでシェアーさせてもらいます。

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書評「天下人の茶」を書く契機となったのは、今回の旅で大徳寺が千利休の切腹に大きく関わっていることを知ったからでした。帰京して、友人から勧められた小説「天下人の茶」(著:伊東潤)を読んだら、奇しくも、知りたいと思っていた千利休切腹の真相に近づくことが出来ました。

「天下人の茶」は、1582年の"本能寺の変"から1598年に豊臣秀吉が62歳の生涯を終えるまでを時代背景にして書かれています。それから、この小説で欠くことが出来ない人物、千利休が秀吉の命により切腹した年は1591年でした。この小説は、1598年に豊臣秀吉が62歳の生涯を終えるまで続きます。この小説では、千利休の生死は重要ではありません。死んでも千利休は、傀儡師(くぐつし=黒幕)として大きな存在になっています。

千利休の弟子でもある武将、牧村兵部(まきむらひょうぶ)、瀬田掃部(さたかもん)、古田織部(ふるたおりべ)、細川忠興(ほそかわただおき)それぞれ各人の茶の湯への関わり方を綴ったものです。

この小説の面白いところは、各武将の話を通して武将ではなく秀吉の人となり、千利休の人となりが鮮明に写しだされてくることです。その描写の中から、何故、秀吉は千利休に切腹を命じたのかという重要なテーマの答えを著者は出しています。

出版社のキャッチ・コピーを引用します。

【現世の天下人となった秀吉、茶の湯によって人々の心の内を支配した千利休。
果たして勝者はどちらなのか。そして、利休の死の真相は。
細川忠興、牧村兵部、古田織部、瀬田掃部ら、千利休を継ぐ弟子たちを通し、二人の相克と天下人の内奥が鮮やかに浮かび上がる。
今もっとも勢いある作家が写しだす、戦国を生きる人間たちの覚悟と懊悩、その美しさ。卓抜したストーリーテーリングで読ませる傑作長編!】

このキャッチ・コピーは良く出来ています。

文責:杜 祐祠

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