フランスにおける宗教的危機について!

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三田評論4月号にフランスの歴史人口学者、家族人類学者であるエマニュエル・トッド氏の講演録「宗教的危機とは何か」が載っていました。

トッド氏が示唆する宗教的危機を理解することはかなり難しいです。〝宗教的危機″と言うと、信者の数が減少していくことと考えます。確かにトッド氏によると、フランスのキリスト教徒は激減しています。その意味では、フランスは〝宗教的危機″に陥っています。

しかし、トッド氏は〝宗教的危機″をもっと広範囲のことと捉えています。フランスの高い失業率が問題を複雑にしています。特に若者の失業率は25%を超える勢いで、政治がこの事の有効な解決策を提供していないことが25%の若者の不満を募らせます。不遇な状態にいる若者にとってイスラムの世界は、魅力的と映るのかしれません。しかし、不遇でない多くのフランス人にとってイスラムは忌むべきもの、排除するべきものと映るでしょう。ここにイスラム教に対する必要以上の拒否反応が現れ始めています。これもひとつの〝宗教的危機″です。今のフランスは複合的な〝宗教的危機″に瀕しているとトッド氏は考えているようです。

トッド氏の「宗教的危機とは何か」を読んで、私見ですが、IS掃討を目的とした空爆より、若者の失業率改善の経済政策の方がテロ対策としては有効なような気がします。

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興味深く読ませて頂きました。東洋経済の3月5日号global eyeコラムで、Ian Buruma教授が、米国でのトランプセ旋風は、 A.C.H.C. Tocqueville のアメリカの民主政治を引いて、米国でのキリスト教の(衰退?)が多数派の抑圧からの宗教による抑止力の低下を招き、制約無しのの民主主義が、populistへの支持を拡大していくという論評をされています。

宗教的無関心→制約無しの民主主義→populistの横行→選出された権力者は万能→プーチン
宗教的無関心は、他人の信教の自由への無関心をも招来するのでしょうか?

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